マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

マンション管理組合の「通常総会」で最低限必要となる議案について

マンション管理組合の「総会議案書」は、総会を開催するにあたって必ず作成される重要な書類です。議案は法令で定められており、必ず必要となるものの他、必要に応じて追加される議案があります。今回は、主に通常(定期)総会において法令違反にはらないように、最低限必要となる議案について学んでいきます。

マンション管理組合の総会議案書とは

大多数の管理組合では、総会の議案が記載された書類を「総会議案書」という名称で作成し配布していますが、区分所有法や標準管理規約では「議案書」という言葉は出てきません。

マンション管理組合の通常総会での「総会議案書」では、区分所有法や管理規約で必ず議案とすべき項目のほか、管理組合の事情により追加される議案があります。

様式については特に定めがないため、原案の作成を担当する管理会社による雛形であったり、管理組合の慣例に合わせ作成される場合もあります。

総会議案書に関する法等での定め

区分所有法や標準管理規約での総会の議案に関する主な定めを確認すると次のとおりです。法令で総会の決議とされている事項については、必ず通常総会の議案として総会に上程する必要があります。

区分所有法(事務の報告)
第43条 管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

標準管理規約(監事)
第41条 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。

標準管理規約(議決事項)
第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
収支決算及び事業報告
収支予算及び事業計画
三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
五 長期修繕計画の作成又は変更
六 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
七 第28条第2項及び第3項に定める建替え等に係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
八 修繕積立金の保管及び運用方法
九 第21条第2項に定める管理の実施
十 区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
十二 区分所有法第62条第1項の場合の建替え及び円滑化法第108条第1項の場合のマンション敷地売却
十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
十五 その他管理組合の業務に関する重要事項

マンションの総会で必要な議案

年に一回おこなわれる通常総会では、管理規約や区分所有法での定めにより最低限必要となる議案があります。この他、マンション管理組合毎の事情により、理事会が議案を追加作成していくことになります。

通常総会で最低限必要な議案

<例>
第○号議案  収支決算及び事業報告承認の件
第○号議案  監査報告承認の件
第○号議案  管理委託契約更新承認の件
第○号議案  収支予算及び事業計画承認の件
第○号議案  役員選任承認の件

必要に応じて追加する議案

<例>
第○号議案  修繕積立金の取崩し承認の件
第○号議案  長期修繕計画の変更承認の件
第○号議案  使用細則(ペット)制定承認の件

総括

前述のとおり、通常総会では必ず議案とすべき事項があります。総会議案書が、法令に照らして不十分な場合には理事会の責任が問われる可能性があるので注意が必要です。

議案書は、理事会が中心となって作成すべきものですが、管理会社が作成した原案のまま総会に上程されるケースもあります。

この場合には管理会社にとって有利な議案になりかねません。「総会議案書」の良し悪しは、マンション管理の質や満足度に大きな影響を与えますので、理事会で十分協議をおこなった上で議案書を作成するようにします。