マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

分譲マンションの大規模修繕工事にコンサルタントが必要となる理由

分譲マンションの大規模修繕工事の準備として、区分所有者の中から専門的な知識を持った方を理事に迎い入れる。もしくは理事会とは別に修繕委員会を立ち上げるといったマンションが多いでしょう。しかし昨今、こうした負担のかかる役割を担ってくれる方を見つけるのは至難の技です。そこで、大規模修繕工事専門のコンサルタントを採用する管理組合が増えてきました。

大規模修繕工事の期間は特に理事の負担が大きい

大規模修繕工事の時期には、役員に負担がかかるので、普段にも増して理事のなり手を確保するのに苦労が伴います。大規模修繕工事の時期には、業者の選定や工法の検討、そして合意形成など理事会に大きな負担が掛かります。

もちろん定期的な理事会の開催にかかわる時間増もそうですが、それ以上にどうしてその業者を選んだのかといった他の居住者からのクレームや圧力による精神的な苦労が多いでしょう。

ですから、大規模修繕工事のコンサルタントを導入することで、技術的なサポートは無論ですが、理事会が他の区分所有者からの受ける精神的な苦労を緩和できることが大きなメリットにつながります。

大規模修繕工事のコンサルタントの役割

コンサルタントの主な業務

調査診断業務
マンションの劣化状況を把握するために建物診断を実施します。
改修設計業務
診断結果をもとに、改修設計書の作成をおこない工事予算を算出します。
工事会社選定業務
入札等の方法で公正な施工業者選定のサポートをおこないます。
工事監理業務
工事の品質・工程、安全対策など施工会社の業務を監理、指導します。
アフター点検業務
大規模修工事終了後は、アフター点検やサポート業務を実施します。

分譲マンションの大規模修繕工事では、その検討過程の透明性・公平性が最も重要になります。しかし区分所有者による理事会では、経験や専門知識を持たないため公平性を担保することは非常に困難です。

第三者の立場であるコンサルタントから適時アドバイスを行い、管理組合の利益保護に努めると共に、マンション大規模修繕工事を成功に導くサポートを行っています。
以下のようにコンサルタントは、様々な業務をおこなっています。

コンサルティングを請け負う会社の種類

大規模修繕工事コンサルタント4つの業態

マンション管理会社
日常業務を委託している管理会社が、大規模修繕工事のコンサルティング業務をおこなうケースが多くあります。マンションのことを良く知っている反面、施工を管理会社の工事部門や関連会社が行う場合にはその中立性に疑問が残る場合もあります。
コンサルティング専門会社
マンションの大規模修繕工事のコンサルティングを専門に行う会社です。分譲マンションの管理組合特有の事情や合意形成の方法などに精通していることがメリットです。現在では日常業務を依頼しているマンション管理会社以外に頼む場合には、主流となっています。
一級建築士事務所
一級建築士事務所は主に新築の建物の設計を行いますが、大規模修繕工事のコンサルティングをおこなう事務所もあります。ただし、新築の設計とマンションの大規模修繕工事は別物ですので、大規模修繕工事の知識や経験・管理組合の合意形成の方法などに精通しているか確認する必要があります。
マンション管理士事務所
マンション管理士は、マンション管理組合の運営についての知識が豊富な場合が多いため、合意形成に至る過程については適切なサポートが期待できるでしょう。一方で、技術的な高度な知識が不足しているケースや、1,2名といった小規模な事務所が多く組織的なサポートを受けることは困難です。

分譲マンションの大規模修繕工事のコンサルティングを請け負う会社は、以上のように分けられます。マンション毎に規模や条件がことなりますので、管理組合にあった業者をせんたくすることが重要です。

まず、重要視すべき共通事項は、分譲マンションにおける大規模修繕のコンサルティング実績です。分譲マンションの大規模修繕工事においては、管理組合の運営についての知識や経験があることが必要不可欠だからです。

総括

大規模修繕工事は、企画から工事完了まで、規模にもよりますが1年半から2年と長期にわたります。

また、マンション大規模修繕工事は、住みながらの工事をおこなうため、入居者の協力が必要不可欠です。

各入居者の協力を得るためには、検討の早い段階から、必要な情報は公開し、修繕工事の必要性に対し理解を深めていただくことが重要です。こうした過程が、最終的な総会における合意形成につながります。

しかしながら、専門知識を持たない区分所有者による理事会を中心とした活動には限界があります。マンションの大規模修繕工事には、区分所有者から徴収した修繕積立金を使っておこないます。

自分たちのお金が使われるわけですから、直接実務に加わらない区分所有者や修繕委員会に対する視線も厳しくなりがちです。

そのため、専門知識をもった中立なコンサルタント採用してワンクッション置くことで理事会の負担は大幅に削減できるでしょう。コンサルタントが居住者へ各業務の経緯や工事の手順などを適切な資料をもって説明することで、管理組合全体の円滑な合意形成につながります。

大規模修繕工事においては、コンサルタントを採用することにより追加の費用が掛かりますが、無駄な工事を省く、適切な施工業者を選択できるといった費用面での削減効果も期待できますので、マンションにとっての一大プロジェクトである大規模修繕工事を成功に導くためにもコンサルタントの採用をおすすめします。

しかし残念ながら、昨今では大規模修繕工事における不適切コンサルタントの存在が社会問題になっています。設計コンサルタントを採用しない責任施工方式での大規模修繕工事の方法も検討の余地があるでしょう。