マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

重要事項説明はマンション管理会社が管理組合と契約更新前に実施義務あり

マンション管理会社が管理組合と管理委託契約の「更新」や「新規契約」をする前には、マンション管理会社の管理業務主任者が、マンションの組合員に対して委託契約の内容について「重要事項説明」をおこなう必要があります。今回は、このマンション管理会社が主催する重要事項説明会の実施について学んでいきます。

重要事項説明会について

マンション管理会社は、マンション管理の適正化の推進に関する法律(マンション適正化法)により「新たに管理受託契約を締結する場合」や「契約条件の変更を伴う更新の場合」には、管理委託契約の締結前にあらかじめ「区分所有者」「管理者」等に対し、管理業務主任者による重要事項説明をおこなう義務があります。

重要事項説明会の開催にあたっては、説明会の1週間前までに、重要事項説明書と説明会の日時及び場所を記載した書面を交付するとともに、マンションの掲示板などで、区分所有者等の見やすい場所に、説明会の開催の日時及び場所について掲示をする必要があります。

重要事項説明会が「必要」「不必要」の判断基準

重要事項説明会開催の判断基準

管理会社がおこなう重要事項説明会は、原則として管理組合の「管理者(理事長)」および「区分所有者全員」に対しておこなう必要がありますが、管理委託契約の内容に「変更がない場合」や「管理組合にとって不利となる変更が含まれない場合」には、重要事項説明会の開催は省略することが可能です。ただし、この場合にも理事長(管理者)への説明と区分所有者全員への重要事項説明書の交付は必要です。

重要事項説明会が必要となる場合(条件変更契約)

重要事項説明会が必要となる事例

  • 管理委託契約の期間延長
  • 管理委託費用の増額
  • 管理委託内容の範囲の縮小
  • 管理委託費用の支払時期の前倒し

マンション管理会社の都合や管理組合の希望で管理委託契約の内容を変更することがあります。

この場合に、「管理組合にとって不利となり得る変更」が含まれる場合には委託契約内容の「条件変更契約」となり、この場合には、管理会社主催による「重要事項説明会」を開催する必要があります。

重要事項説明会を省略できる場合(条件同一契約)

重要事項説明会が不要となる事例

  • マンション管理業者の商号又は名称の変更
  • 管理委託契約の期間短縮
  • 管理委託費用の減額
  • 管理委託内容の範囲の拡大
  • 管理委託費用の支払い時期を後に変更
  • 市町村合併等による所在地の変更

管理委託契約の変更にあたって「管理組合にとって不利にならない変更」の場合には「条件同一契約」の範囲に含まれ、重要事項説明会の開催を省略することが可能です。

ただし、この場合にも理事長(管理者)への説明と区分所有者全員への重要事項説明書の交付は必要です。

総会と重要事項説明会の同時開催
実務上は総会開催の当日に重要事項説明会を開催することが一般的になっています。この場合は、総会は管理組合が主催するものですが、重要事項説明会は管理会社に義務づけられたものです。このことから総会の開催案内とは別に重要事項説明会の開催案内がおこなわれる必要があります。

総括

マンション管理会社が管理組合と管理委託契約を締結(契約更新も含む)する場合には、マンション管理適正化法では、事前に「管理会社」が「管理組合」に対し重要事項説明を実施することを義務付けています。

この重要事項説明は原則として説明会を開催しておこなう必要がありますが、例外として、これまでの契約と「同一条件」での更新にあたるときは、説明会の開催を必要としません。

注意すべき点は、この「同一条件」の解釈をめぐって、本当な重要事項説明会を開催しなければならない契約更新であっても、実施されないケースもあります。

委託契約についての重要事項説明会は「マンション管理会社」と「管理組合」の契約内容を理解する大切な機会ですので、理事(役員)は当然ですが、組合員であれば、重要事項説明会の開催について関心をもっていきたいところです。