マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

マンション管理会社への業務委託の実態(リプレイスの割合・委託内容)

マンションの「共用部分や敷地」などの管理は、管理組合や理事会が管理をおこなっていくのが原則です。しかし実際には管理の知識が乏しい理事だけで管理の仕事をおこなうのは現実的ではありません。そこで、ほとんどのマンションでは管理会社に管理業務を委託しています。ここでは、マンション管理会社への業務委託の実態について考えていきます。

マンション管理会社に業務委託することへの意向

管理事務を管理業者に委託することへの意向(出所:平成25年度マンション総合調査)

平成25年度マンション総合調査│管理事務を管理業者に委託することへの意向

この調査は、管理業務をマンション管理業者に委託する意向についてみたものですが、「マンション管理業者に任せても良いが、その方針は出来る限り管理組合で決めるベきである」が『78.8%』、「マンション管理業者に全て任せた方が良い」が『13.8%』となっています。一方で、マンション管理業者に任せるべきではないと考えている管理組合は『5.3%』程度に留まっています。

マンション管理会社に任せている業務の内容

平成25年度マンション総合調査│管理事務の実施状況

マンション管理会社に任せている業務に関する調査では、「基幹事務を含め管理事務の全てをマンション管理業者に委託」が『72.9%』、いわゆる自主管理マンションと呼ばれている「管理組合が全ての管理事務を行っているマンション」は『6.3%』にとどまっています。

マンション管理会社の決定方法(変更・リプレイスの割合)

マンション管理業者の決定方法(出所:平成25年度マンション総合調査)

平成25年度マンション総合調査│マンション管理業者の決定方法

マンション管理会社の決定方法についての調査では「分譲時に分譲業者が提示したマンション管理業者である」が『75.8%』、「分譲時に分譲業者が提示したマンション管理業者に委託していたが、その後現在のマンション管理業者に変更した」が『18.3%』です。管理会社を変更(リプレイス)するマンションもかなり増えています

マンション標準管理委託契約書への準拠状況

平成25年度│マンション標準管理委託契約書への準拠状況

マンション管理委託契約書についての調査では「概ね準拠している」が『88.8%』、「一部準拠している」が『1.3%』、「全く準拠していない」が『1.5%』となっています。契約書の内容が、マンション標準管理委託契約書と大きく異る場合などには、管理組合にとって不利な内容になっていないかマンション管理士等の専門家に調査を依頼するのが望ましいでしょう。

総括

ほとんどのマンションにおいて「共用部分や敷地」などの管理は、管理組合が管理会社に業務を委託しています。マンションの管理の仕事は「管理費の徴収」や「滞納者への督促業務」「設備の維持管理」「居住者同士のトラブルの仲裁」まで多岐に及びますので、マンションの管理業務を専門におこなう業者としてマンションの管理会社が必要となります。

ここで注意しなくてはならないのが「管理の専門家である管理会社」と「管理の知識の乏しい管理組合」による契約であることです。そのため、管理組合にとって不利な契約(管理会社にとって有利な契約)を知らないうちに締結していることが往々にして見受けられます。

マンション管理会社に業務を全部委託している場合には、管理会社の業務が適切に行われているかチェック機能を確保するために、マンション管理士等の外部の専門家(コンサルタント)を上手に活用していくことも大切です。