マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

マンションにおける大規模修繕工事の実施周期は「12年」毎が適切?

大規模改修工事の修繕周期は、一般的には12年程度とされています。しかし、長期修繕計画では12年周期とされていても、それが絶対ではありません。最近では技術の進歩などにより12年を超える周期で大規模修繕工事をおこなうマンションも増えてきました。マンション毎の事情や設備の状況により適切な修繕周期は変わってきます。ここでは、マンションの大規模修繕工事の修繕周期の基本的な考え方について学んでいきます。

マンションにおける大規模修繕工事の役割とは

「建物の部位」や「設備」毎に耐用年数は異なってきますので、本来であれば、修繕工事は耐用年数を迎える部位ごとに、都度工事を行なうことが理想的です。

しかし、マンションの場合には、建物内で住人が日常生活を営みながら工事をおこなう必要があるため、工事期間中の住人への負担を考慮しなくてはなりません。

また、足場の設置などを一度にまとめたほうが費用節約につながるため、修繕周期をできるかぎり集約させて工事を実施するのが大規模修繕工事の役割です。

適正な大規模修繕工事の周期とは

大規模修繕工事は基本的には長期修繕計画に基づく周期に従っておこないますが、長期修繕計画は、一般的には長期修繕計画はガイドラインに従って、平均的な「修繕周期」や「工事金額」をもとに作成されたにすぎません。

しかし実際には、必要な修繕はマンションの「立地」や「環境」「設計」によっても違いがでてくるため、必ずしも長期修繕計画が正確であるとは限りません。

大規模修繕は先延ばしにした方が得?

大規模修繕工事の修繕周期は、修繕積立金の額を決める大きな要素であるため、できる限り先延ばしにした方が費用節約になると考えがちですが一概にはそうともいえません。

マンションの場合には、一般的に築40年ぐらいまでにエレベーター設備、給排水管、電気設備などすべての設備のリニューアルが必要となります。

従って、大規模修繕工事の周期を12年毎に設定すれば、3回目の大規模修繕工事にあわせて、すべての大規模な設備のリニューアルが終了することになります。

一方で周期を15年に設定した場合には、2回目と3回目の大規模修繕工事の間に、大規模な設備のリニューアルを挟む可能性がでてきます。

ですから、大規模修繕工事の12年周期に合わせてできるだけ工事を集約させていくという考え方であれば、必ずしも周期を伸ばした方が節約につながるとは言い切れません。

工法の進歩で設備の耐用年数が伸びてきた

年々、マンションにおける施工や改修の技術が進歩しているため、設備の耐用年数が延ばる傾向にあります。

例えば、屋上防水でもマンションに一般的に用いられているアスファルト防水は、これまで考えられていた耐用年数から大幅に伸びて20年程度持つ工法も出てきました。

こうしたことから大規模修繕工事の適切な周期を事前に予測することは困難なため、その都度劣化診断などをおこない柔軟に対応すべきといえます。

総括

昨今では、大規模修繕工事の周期は12年を超え20年ぐらいでも問題はないという専門家も増えています。根拠として、雑居ビルや賃貸マンションにおける大規模修繕工事周期は20年を超えるというデータもあります。

しかし、分譲マンションの場合には事情が少し異なります。築年数が経つと居住者も高齢になる傾向があるため、年々、修繕積立金の支払いや大規模修繕工事期間中の制限に対する負担がきつくなってきます。

また、分譲マンションは終の棲家になっていますので、少しぐらい修繕積立金の負担が増えてもできる限り綺麗な状態で暮らしたいという意見も数多くあります。

このように適切な大規模修繕工事の周期は、マンション毎の考え方や事情により異なってくることですので、理事会や修繕委員会を中心に慎重に検討するようにしましょう。