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大規模修繕の現場工事の流れ

大規模修繕の現場工事の流れ|大規模修繕工事・最強ガイド管理組合向け
管理組合向け
大規模修繕の工事期間はマンションの規模や工事内容によって異なりますが、一般的に2~6ヶ月程度かかります。そして、タワーマンションの大規模修繕工事では1年以上の工事期間になるケースもあります。工事着工から竣工まで、居住者の協力が必要な事項は多数あります。できる限り居住者に情報を広報しながら、効率的な工事となるように心がけましょう。
大規模修繕工事の現場作業で最初におこわれるのが仮設工事です。大規模修繕工事における仮設工事とは、本体の補修工事の準備としておこなわれる工事のことです。仮設工事では、作業足場や、塗料の飛散や落下物を防止するメッシュシートの設置、現場事務所、作業員詰所、資材置場、仮設トイレ・工事用流し等の設置をおこないます。仮設工事というと足場工事を示す場合も多いようですが、足場設置を「直接仮設工事」、それ以外の仮設工事を「共通仮設工事」と呼ぶこともあります。大規模修繕の工事費の2~3割程度を、足場設置の費用が占めます。このため、工事計画を立てるに当たっては、工事用足場の設置計画がひとつの重要ポイントとなります。つまり、足場を必要とする屋根やバルコニーなどの防水工事やシーリングの打ち替え、手すりの塗り替えなど各種の修繕を組み合わせて実施して足場を最大限に活かことで、仮設費の低減というメリットがあります。
下地補修工事では、建物のコンクリート部分などの補修・補強をおこないます。この下地補修工事はこの工程の後におこなう「防水工事」「塗装工事」の仕上がりに大きく影響します。下地補修をしっかりとおこなわないと損傷が再発して建物の耐久性にも悪影響を与えるため大切な工程です。
タイルそのものは半永久的な素材ですが、コンクリートのひび割れに伴ってタイルがひび割れや、タイルの下地からの浮きによる剥がれも考えられます。そこで、タイル仕上げのマンションの大規模修繕では外壁の「タイル補修」が行われます。作業員が足場にのぼってタイルの浮きのチェックを、打診や目視によっておこない、必要な箇所は補修をおこないます。タイルの浮きやひび割れを放置しておくと、ひび割れから侵入した雨水がコンクリートを傷めるほか、剥がれたタイルが落下して通行人にケガをさせるといった重大事故につながる危険性があります。
大規模修繕工事には、目地のシーリング工事も含まれます。マンションでは外壁や窓枠の廻りなどさまざまな場所にシーリングが施されています。シーリング材に使用されている素材は経年劣化によって硬化して本来の性能を発揮できなくなります。シーリング工事では、目地に充填されたシーリング材の調査をおこなって必要であればシーリング材を撤去して新たにシーリングを施します。
外壁塗装仕上げのマンションの場合には外壁の塗装をおこないます。調査をおこなって、既存の塗装と躯体との付着力が弱い場合には、既存の塗料を除去した上で新たに塗装をおこないます。また、扉や手摺りなどに鉄が使用されている場合には、鉄部の塗装が劣化することで錆びが発生して耐久性に問題を引き起こすため塗装を重ねてしっかりと保護します。
錆は、常に風雨にさらされている箇所や溶接箇所、壁などへの取付箇所、また海に近いマンションで、早く発生するため塗装面のひび割れや剥がれなどの程度をみて大規模修繕での塗装をおこないましょう。
屋上やバルコニー、開放廊下といった箇所は、常に紫外線や風雨などの影響を受け防水材などが劣化しやすいため補修が必要です。防水層が劣化すれば雨漏りが発生するリスクがあります。屋根防水は、通常十年程度の保証が付いており、この間に漏水などの不具合が発生した場合には、施工者の責任で修繕することになっています。この期間をすぎると管理組合の負担で修繕する必要がでてくるため大規模修繕工事では屋上防水の補修をすることが一般的です。防水には「アスファルト防水」「シート防水」や「塗膜防水」といった種類があります。いずれの工法であっても雨漏りが発生してから修繕するのでは手遅れですので、大規模修繕のタイミングで防水層の増し張りや張り替えるなどの修繕をおこないます。
マンションの大規模修繕工事
マンションの大規模修繕工事とは、マンションの経年による建物や設備の老朽化にあわせて12~15年周期で実施する修繕工事 […]
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