マンションの長期修繕計画

マンションの長期修繕計画
マンションのような鉄筋コンクリート造の建物でも、年数が経過するにつれて、外壁の塗料がはげ、コンクリートにひび割れが生じたり、そこから水が侵入しコンクリート内の鉄筋にサビが発生したりと、耐久性が落ちてきます。特に、経年による劣化に適切に対応するためには、あらかじめ長期修繕計画を策定して、必要な修繕金を積み立てておく必要があります。長期修繕計画を立案し、各区分所有者間で同意しておくことで、円滑な大規模修繕工事の実施や修繕積立金額の改定に対する理解を深めることが可能です。

長期修繕計画の目的

〇〇マンション長期修繕計画の例
マンションの維持管理をどんなにしっかりと行なっても建物や設備の劣化を完全に食い止めることはできません。建物や設備の経年劣化に対応するためには定期的に大掛かりな修繕工事をする必要があります。マンションの規模にもよりますがその費用は数千万から数億の規模になることも少なくありません。それだけの費用を工事の直前になって区分所有者から徴収することは困難です。

長期修繕計画を基に修繕積立金を設定

そこで、長期的な修繕計画を作成して、どのくらいの費用が将来かかるのか見通しを立て、その金額が工事実施までに積み上がるように毎月区分所有者から修繕積立金として徴収します。

建物の部位や設備ごとに工事費用の目安を算出

修繕工事の項目や修繕周期を設定

長期修繕計画は建物の分部位や設備ごとにどれくらいの修繕費用がかかるか算出します。例えば、屋上防水や壁面の塗り替え、給水管の更生、消防用設備の取り替え費用などです。

修繕周期は部位によって異なる

修繕周期は部位によって異なる修繕工事は部位ごとに必要となる修繕周期が変わってきますので、どのくらいの間隔で修繕工事を行えばいいのか考慮に入れて工事計画を作成していきます。こうした費用を合計して工事費の総額を算出して、そこから毎月いくらの修繕積立金を徴収すればいいのかシミュレーションをおこないます。

長期修繕計画の計画期間の目安は

長期修繕計画で必要となる計画期間

それでは長期修繕計画は何年先まで考慮に入れれば良いのでしょうか?
この計画期間については国土交通省が公表した「長期修繕計画作成ガイドライン」に目安が示されています。

長期修繕計画作成ガイドラインによる計画期間の設定

既存マンションの場合には25年以上とされています。これは大規模修繕工事がおおよそ12年周期で行われることから少なくとも将来行われる2回分の大規模修繕工事を長期修繕計画に反映するという主旨から設定されたものです。

30年を超える計画が必要な場合も

30年を超える計画が必要な場合も
25年という計画期間では不十分な場合もあります。例えば機械式駐車場の耐用年数を30年とすると、これが長期修繕計画に反映されていないケースが散見されます。昨今の車離れによる空き駐車場の増加の問題などもあって、今後駐車場収入が十分見込めない管理組合も増えてくるでしょう。そうなってくるとなおさら、将来莫大な費用のかかる機械式駐車場の更新・リニューアル費用が賄えないということになってしまいます。ですから長期修繕計画は計画期間を十分設けた上で、当然修繕項目の抜けがないように作成しなくてはなりません。

長期修繕計画の見直し

長期修繕計画作成ガイドラインでは5年ごとの見直しを推奨
長期修繕計画は一度作成したからそれで終わりではなく、5年程度ごとに見直しを行っていかなければなりません。また十数年程度ごとに行われる大規模修繕工事を終了した後にはその修繕内容を長期修繕計画に反映させるために再度見直しを行う必要があります。

建物の調査・診断で劣化の程度を把握しておく

建物の調査・診断で劣化の程度を把握しておく長期修繕計画の見直しの前には、費用は掛かりますが専門家による劣化診断を実施することをお勧めします。確かな技術力と豊富な知識と経験を持った専門家に診断を行なってもらうことで、客観的なデーターを得られます。その診断によって作成された各データーは、実際に修繕する際の参考になるほか「長期修繕計画書」作成の基礎データにもなります。

このようなことから、劣化状態の調査・診断を実施することによって建物の実状を知っておくことで、精度の高い長期修繕計画を作成することが可能となります。

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