長期修繕計画とは?建物を維持し修繕積立金の額を算出するためのもの

マンションの長期修繕計画管理組合向け
管理組合向け
マンションの劣化を防止するためには定期的な修繕工事が欠かせません。この修繕工事費は組合員から毎月修繕積立金として管理組合が徴収します。修繕積立金の額が適切に設定されていないと大規模修繕工事の直前になって資金不足といったことになりかねません。そこでこのような事態にならないように事前に管理組合が長期修繕計画の作成をおこなう必要性がでてきます。今回は、マンションの資産価値を守り、快適な生活環境を維持するために必要な長期修繕計画について学んでいきます。

長期修繕計画とは

長期修繕計画とは
長期修繕計画は、マンションの老朽化を防止して性能を維持するために、管理組合が作成するマンションの長期的な修繕計画のことです。

また、修繕工事に必要な費用を算出し各区分所有者が負担する積立金の額を決めるための根拠となる重要なものです。

修繕積立金は分譲時点においては低めに抑えられている傾向があるため大規模修繕工事の直前になって不足していることに気付くといった事態が生じることがよくあります。大規模修繕工事を適切に実施するためには、長期修繕計画を定期的に見直しをした上で、それを基に修繕積立金の見直しを図っていく必要があります。

長期修繕計画の3つの効果

  1. 長期修繕計画策定の過程で修繕工事の必要性を組合員に周知できる
  2. 大規模修繕工事のおおよその実施時期を事前に把握できる
  3. 修繕積立金の改定時の根拠となり組合員の理解を得やすくなる

長期修繕計画の必要性

長期修繕計画の必要性
マンションの場合、外壁の汚れや鉄部の錆のなど時間とともに経年劣化していきます。また、各種設備の不具合なども生じます。マンションを良い状態に保つには、定期的なメンテナンスが欠かせませんが、マンションの場合「建物の修繕」や「大規模な設備の改修」は、総会での決議が必要な上、高額な費用がかかるため緊急におこなうことは困難です。

そのため、修繕については事前の準備が欠かせないため長期修繕計画がつくられます。現在から30年程度未来まで、マンションの共用部分に必要な修繕工事の時期や内容を計画し、必要な修繕費用を算出します。このように、長期修繕計画は、管理組合の運営にとって重要なため管理規約で長期修繕計画の作成を義務付けています。

標準管理規約 第32条(抜粋)
管理組合は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理のため、次の各号に掲げる業務を行う。
長期修繕計画の作成又は変更に関する業務及び長期修繕計画書の管理

計画期間の設定

  • 【新築マンション】30年(およそ30年目の設備関係の修繕を含んだ期間)
  • 【既存マンション】25年(大規模修繕(周期12年程度)が2回含まれる期間)

参照 長期修繕計画作成ガイドライン-国土交通省

大規模修繕に欠かせない長期修繕計画

大規模修繕に欠かせない長期修繕計画
マンションには、ライフスタイルや価値観の違うさまざまな方が暮らしているため、いざ大規模修繕を行おうとしてもなかなか足並みが揃いません。そこで、長期修繕計画を立てることにより、修繕項目や修繕時期、各修繕項目に対する費用が明確となり組合員の合意形成がしやすくなります。

この記事のまとめ

長期修繕計画は、あくまで一般的な修繕周期はこの程度という情報を基に作成します。実際には、建物や設備の劣化は、環境や管理の状況などに影響を受けます。そのため、定期的(3年~5年ごと)に計画を見直して、それぞれのマンションの実情に合わせていく必要があります。

長期修繕計画を見直すときには、これまでの修繕工事の、施工方法の進歩なども反映させることが重要です。
また、ただ、原状回復を目指すだけではなく、社会的背景、生活スタイルの変化などに応じて、省エネ対策やバリアフリー、防災対策等のグレードアップ工事についても計画に盛り込むと良いでしょう。なお、大規模修繕工事の予定時期が近い場合などは専門家による建物の劣化診断をおこなった上で計画を見直しましょう。

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編集部

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