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マンションの「管理費」「修繕積立金」の滞納者(未納)への督促方法

管理組合向け
管理組合向け
分譲マンションで区分所有者が毎月管理組合に支払う「管理費」や「修繕積立金」の滞納を管理組合が放置すると日常的な管理の他、大規模修繕の実施にも悪影響がおよびます。今回は、理事会ができる滞納者への督促の方法を考えていきます。

管理費等の滞納者へ督促方法


理事会ができる滞納者への督促として、督促文章の郵送やポストへの投函、電話、自宅訪問等があります。滞納者への対応は管理会社に任せっきりにするのでなく、督促対応は理事会と管理会社が協力しておこなうことが重要なことです。滞納者も管理会社からの要請には反発しても、同じ建物に暮らす住人から言われると従う方が多いからです。

管理費等の滞納者への督促(初期対応)

滞納者への督促の基本は、滞納額が増えない内に迅速に督促をおこなうことです。マンションで滞納者が発生した場合には以下のような対応を検討しましょう。

その1│通常文書による督促

滞納初期の段階では、管理会社から定型文で管理費等の滞納者に対し支払いの催促の文章が郵送されます。しかし、それだけでは悪意の滞納常習者には効果があまりないので、理事会などで協議した上で滞納期間や状況に応じた文面を作成し、管理組合名で督促の書面をポストに投函すると効果的な場合があります。

その2│電話による督促

滞納が2か月を経過したあたりで管理会社の担当者(フロントマン)から滞納者本人の自宅や携帯に電話をして未納分の支払いを督促します。その過程は、後日管理会社から月次報告で報告されるので、理事会としては、管理会社の担当者がこうした電話での督促を怠っていないか確認することが重要です。電話による督促では、本人が不在のときに留守録を残す方法などでは効果がうすく直接本人と話をすることが肝心です。理事会で管理会社の担当者(フロントマン)に電話による督促の状況を確認します。

その3│訪問による督促

3か月を超える滞納を目処に滞納者の自宅を訪問をします。この場合、特にマンションに居住する滞納者の場合には、管理組合の役員(理事)と管理会社の担当者(フロントマン)が一緒に滞納者宅を訪問をすることが有効です。直接話しをすることで、滞納の原因を的確に把握して今後の対応を検討します。理事会終了後に滞納者への自宅訪問をルールにするのも良い方法です。

その4│内容証明郵便の発送

5か月を超える滞納を目処に、滞納者に対し内容証明郵便を送付します。容証明郵便は、請求の事実を証明するもので、督促自体に強制力を生じさせるものではありませんが、滞納者の中には、内容証明郵便を受け取ると自発的に支払うケースも少なくありません。文面については、管理会社の担当者(フロントマン)が素案をつくるのが一般的です。

管理費等の長期滞納者への法的措置の検討


前述のような対応をおこなっても効果がなく、滞納が長期に及ぶ場合には法的手続きを検討せざるを得ません。この場合には、管理会社から紹介を受けた弁護士などの専門家の支援を受けることが望ましいでしょう。

  • 支払督促
  • 少額訴訟
  • 通常の訴訟
  • 強制執行

補足│管理費等の時効期間

滞納管理費等の時効は5年です。(平成16年4月23日最高裁判決) これを過ぎた場合、相手方が時効の利益を主張(「援用」という。)すれば、債権は無かったものとされるため、管理組合としては迅速な対応が必要です。 時効は、裁判上の請求、差押、債務の承認等により中断しますが、 内容証明郵便を出しただけでは、時効は中断されないので注意が必要です。

この記事のまとめ

管理費や修繕積立金の滞納者への督促の基本は「管理会社」と「理事会」が協力して滞納者への対応をすることです。管理会社から、毎月提出される会計報告の中の「未収金明細」をもとに、滞納者やその額を正確に把握して、仮に滞納者がいるようなら、迅速に対応を検討します。仮に、管理会社や理事会で未納が解消できない場合には、そのまま放置すると真面目に管理費等を収めている他の組合員と不公平が生じるので、場合によっては新たな滞納者が発生するケースもあります。法的対応は費用がかかりますが、管理組合の「徴収する強い姿勢を示す」ことにより更なる滞納者がでることを抑止する効果があります。
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この記事を書いたヒト

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