マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

マンションの「共用部分」「専有部分」「専用使用権」の境界・区分

マンションは構造や目的によって「専有部分」と「共用部分」から成り立っています。「専有部分」「共用部分」の区分によって責任の所在も異なります。その他「専用使用権がついた共用部分」といった扱いの範囲もあります。分譲マンションの建物のうち「専有部分」と「共用部分」の区分をどのようにするのか、「共用部分」や「敷地」をどのように管理していくかを決めることはマンション管理の基本です。今回は、マンション管理を学ぶ上で基本となる「共用部分」と「専有部分」の区分について説明していきます。

「共用部分」と「専有部分」

「専有部分」「共用部分」の区分

マンションでは、ひとつの建物を複数の人が共同で所有しており「共用部分」と「専有部分」という区別があります。大まかにいえば、住戸の内側が「専有部分」それ以外が「共用部分」となります。

しかし、区分所有法では「専有部分」と「共用部分」の境界を明確に規定しているわけではありません。「専有部分」と「共用部分」の区分が明確になっていないと、責任の所在や費用負担があいまいで、トラブルにつながります。

「専有部分」と「共用部分」の範囲は、マンションの管理規約に明記するのが基本ですが、明確に記載されていない場合もありますので、この場合には管理規約で明確にすることでトラブルを未然に防止します。

マンションの「共用部分」とは

「共用部分」とは、原則として区分所有者全員が共有する部分のことです。区分所有マンションでは必ず「共用部分」と「専有部分」に分類されるので、マンション内の専有部分を除いたすべての建物部分が共用部分ともいえます。

共用部分は、区分所有者全員で共有していますので、主に管理組合がその管理をおこないます。例えばマンションの「エントラン」「エレベーター」「共用廊下」などは、個人が管理をおこなうのではなく管理組合が保守管理をおこなっていきます。

マンションの「専有部分」とは

マンションの「専有部分」とは、各住戸内のことです。「専有部分」は、床、壁、天井、扉などに囲まれている部分ですので、その管理は主にその部屋の所有者がおこなうことになります。

しかし「専有部分」とはいっても、住人が完全に自由に利用して良いということではなく、管理規約や細則によってその利用方法にはルールや制限が設けられています。理事会の業務には、こうした専有部分内での使用ルールを遵守させることも含まれています。

専用使用権のついた共用部分

マンションのバルコニー、ベランダ、窓・玄関ドアは「共用部分」です。しかしこれらの部分は、特定の居住者が使用することになりますので、専用使用権が与えられます。

この部分の通常の使用で必要となる補修などの費用負担は、実際に利用する所有者が行うことになります。例えば、通常の使用により、窓ガラスが割れた場合は、原則としてその部屋の所有者の負担で修理や取り替えをおこなうことになります。

配管や配線などについては「設置目的」や「管理の状況」などの諸条件によって区分が異なります。特に、こうした境界が曖昧な部分については事前に管理規約などに定めることが望ましいでしょう。

総括

マンションの「共用部分」「専有部分」の範囲は、管理組合の役員(理事)は当然ですが、マンションの住人は、その区分について正しく理解することが大切です。

管理組合の仕事には、この共用部分の維持管理をおこなう他、専有部内の利用ルールの徹底なども含まれます。その他、専用使用権のあるバルコニーや専用庭の扱いなど正しく理解した上で居住者に共用部分と専有部分の区分を周知していくことが重要です。