マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

マンションの共用部分の範囲(エントランス・共用廊下・階段)など

マンションの共用部分とは「エントランス」や「共同・廊下」「階段」「エレベーター」など区分所有者が共有して利用する場所です。「管理組合」や「理事会」の仕事は、主に、この共用部分の管理をおこなうことです。共用部分を適切に管理することは、マンションの「住みごこち」や「資産価値」をあげるために重要なポイントになります。今回は、管理組合が管理をおこなうマンションの「共用部分」について学んでいきます。

マンションの「共用部分」とは

マンションの共用部分の例

専有部分以外の部分
エントランスホール・共用廊下・階段・エレベーターホール・電気室・内外壁・界壁・床スラブ・バルコニー・ベランダ・屋上テラスなど
建物の設備
エレベーター設備・電気設備・給排水衛生設備・ガス配管設備・避雷設備・集合郵便ポスト・配線配管など
規約により共用部分と定めた部分
管理員室・倉庫・駐車場・集会室・ゲストルームなど

共用部分とは、分譲マンションなどの区分所有建物で、専有部分以外の「建物部分」や「付属部分」のことです。

「共用部分」と「専有部分」との境界

共用部分・専有部分の区分

「共用部分」と「専有部分」と区別するのが困難な部位もあります。こうした境界が明確にされていないと「管理組合」と「使用者」との間で、設備の故障時など費用の負担をめぐってトラブルになることがありますので、管理規約に「共用部分」と「専有部分」の区分を明確に記載することが重要です。

共用部分の場所1│壁や床・天井など

マンションの構造部分である「壁」「床」「天井」など駆体部分は共用部分として扱われます。しかし「天井」や「壁」などの石膏ボードなどの表面部分は専有部分となります。たとえば、部屋の所有者が専有部分である壁紙を変更することは自由にできますが、共用部分の壁を取り除いて2室を1室に変更することはできません。また、居住者が躯体に届くような釘を打ったり、壁に穴を開けたりすることもできません。

共用部分の場所2│玄関扉や窓ガラス

マンションの玄関扉については、扉本体は「共用部分」ですが、鍵及び内側内装部分は「専有部分」に含まれます。

「専有部分」である「シリンダーの取替え」や「扉の内側の塗装」等は居住者が自由にできますが、それ以外のと扉部分は「共用部分」のため管理組合の許可なくおこなうことはできません。

また「窓ガラス」「雨戸」「窓枠」「網戸」等は共用部分となるため、許可なく外観がかわるような交換をしたり、塗装をすることはできません。

共用部分の場所3│敷地内の駐車場

分譲マンションの駐車場の多くは「共用部分」です。駐車場の利用者は、管理組合に使用料を支払うことで専用に使用しています。

このような駐車場のように、特定の区分所有者のみ使用できる共用部分を「専用使用権のついた共用部分(専用使用部分)」と呼んでいます。専用使用部分には、駐車場のほか「バルコニー」「窓」「網戸」などがあります。

共用部分2種類「法定共用部分」と「規約共用部分」

共用部分の分類

さらに共用部分は、「法定共用部分」と「規約共用部分」の2つに分けることができます。主にマンションの構造上、当然共用となるべき部分については、区分所有法で「法定共用部分」とされています。その他の部分については、規約に定めることで共用部分とすることができます。

共用部分1│法定共用部分

「法定共用部分」とは区分所有法によって定められている建物部分や設備のことです。例えば「共用廊下」「階段」「エレベーター」のようにマンションの構造上、区分所有者の全員や一部が共用しなければなりたたない建物の部分は、法律上の共用部分となります。

共用部分2│規約共用部分

「規約共用部分」とは、本来は専有部分となり得る建物の部分や、付属する設備を管理規約により共用部分と定めた場所です。「規約共用部分」はマンションの管理規約によって、共用部分と定める必要があります。規約共用部分の例として「集会室」「管理員室」「駐車場」をなどが挙げられます。共用部分である旨の登記をすれば、第三者にも対抗できます。

総括

マンションの共用部分は、原則として管理組合が管理をおこなう場所です。共用部分は、各共有者が「管理規約」や「細則」などのルールに従って使用することができます。

「管理組合」や「理事会」の仕事は、主にこの共用部分の管理をおこなうことです。共用部分の管理は、マンションの「住みごこち」や「資産価値」に影響をあたえる重要なポイントになります。

日常的に利用する「エントランスホール」や「エレベーター」「廊下」「階段」「ゴミ置場」なども共用部分ですので、区分所有者の共有財産として適切に「管理」「使用」をおこなっていくことが重要です。

なお、共用部分の変更(形状または効用の著しい変更を伴うもの)は、総会の特別決議が必要となります。