理事(役員)になったら絶対に知っておきたい法律「区分所有法」を解説

区分所有法の解説管理組合向け
編集部

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区分所有法は、マンションにおける憲法とも言われる重要な法律です。理事の活動をする上で、理事会に寄せられたクレームや居住者間のトラブルの解決などで区分所有法の知識が必要になる場合もあります。今回は、区分所有法について学んでいきます。

区分所有法とは?

ワンオーナーである戸建て住宅とは異なり、マンションなどの区分所有建物は、一つの建物を複数の人が共同で利用する住まい方ですので、権利関係が複雑になります。そこで、こうした区分所有建物における住まい方や管理・運営方法のルールを定めた法律として区分所有法が制定されました。

マンションの場合には、一つの建物を複数の所有者が区分して使うため、新たな所有関係及び所有関係成立後の利用関係を定めておく必要があります。このような事情から、民法の特別法として制定されたのが、「建物の区分所有等に関する法律」(昭和37 年法律第69 号。以下「区分所有法」といいます。)です。

マンションの権利関係について

マンションは部位によって「専有部分」「共用部分」「敷地」の3つに分類されます。それぞれについて、「専有部分の所有を目的とした区分所有権」「共用部分の共有関係に関する権利である共有持分権」「敷地を利用するための権利である敷地利用権」という3つの権利が付与されます。

部屋と敷地の分離処分の禁止

専有部分の所有を目的とした区分所有権に対応する土地についての権利を「敷地利用権」といいます。敷地利用権は、個別に売却することができるとなると、敷地を利用する権利のない区分所有権が発生するなど、権利関係が複雑になるので「分離処分は原則として禁止」とされています。

管理組合

区分所有者は、全員で共用部分などを管理するための団体「管理組合」を発足させ、これを適正に管理していかなければなりません。この「管理組合」は、マンションの共有関係の成立と同時に自然発生するものですので、管理組合が嫌だからといって、これを自由に脱退することはできません。

管理者

マンションの共用部分の管理を区分所有者が全員で協議する方法は非効率です。そこで、管理組合の代表者として「管理者」を選任し、その管理者の行為の結果が各人に反映されるという方法を採用することができるとされています。この区分所有法に定める「管理者」が、一般的にはマンションの「理事長」に相当します。

集会(総会)

「集会」は、マンション管理組合における最高意思決定機関であり、マンションの重要な意思決定は、この「集会」の場で行われます。この区分所有法に定める「集会」がマンションの「総会」に相当します。区分所有法では、管理者等は、少なくとも毎年1回、集会を招集しなければならないと規定されています。この集会のことを一般的には「通常総会」と呼んでいます。

規約(管理規約)

「規約」は、マンションのルールブックに相当し、区分所有者全員がこれに拘束されることになります。この区分所有法に定める「規約」がマンションの「管理規約」に相当します。「規約」をつくことは任意ですので、作成しなくても法律違反ではありませんが、実務上、マンションのルールが定まっていない管理組合運営は困難ですので、大多数の管理組合で「管理規約」が設けられています。

管理規約と区分所有法では、どちらが優先される?

区分所有法の強行規定については区分所有法が優先します。強行規定とは、規約等で別段の定めができない規定のことをいいます。例えば、管理規約の改正など、区分所有法で「区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数でする」という規定がある場合には、規約で2分の1以上といった定めはできません。

管理規約は、マンションのルールそのもので「憲法」のようなもの
マンションでは区分所有者が守るべきルールとして「管理規約」が定められています。理事の人数や任期などは管理規約に定められており、総会の決議を経てこれを変更することも可能です。

義務違反者に対する措置

区分所有法では、ルール違反を行った者に対する対処法として「義務違反者に対する措置」が定められています。マンションは共同生活の場ですので共同の利益に反する行為は禁止されています。違反者に対しては、使用禁止や引き渡し請求などをおこなうことができます。

この記事のまとめ

マンションは共同生活の場ですので、複雑な権利関係からトラブルが発生します。区分所有法はマンションに関する広範囲な事柄について定めた法律です。例えば、理事会に寄せられたクレームや居住者間のトラブルの解決などで区分所有法の知識が必要になる場合もあります。

また、管理規約改正においてはその内容が区分所有法に違反していないか判断する必要があります。マンション生活の日常の中では、あまり意識することはない法律だとは思いますが、例えば、輪番で理事になった場合などは、区分所有法を学ぶ絶好の機会です。

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