マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

管理組合役員になれる範囲を広げてなり手不足を解消する|理事会運営

役員のなり手がいない場合や不足等の事情がある場合には、役員の資格要件を変更するのも有効な方法です。区分所有法では、管理組合役員の資格に制限はないため、管理規約を改正することにより役員になれる範囲を拡大することができます。

役員資格は居住する区分所有者としていマンションが9割

管理規約において選任できる役員の範囲(出所:平成25年度マンション総合調査)

平成25年度マンション総合調査│管理規約において選任できる役員の範囲

国土交通省が実施した調査によると、管理規約において選任できる役員の範囲は「居住の組合員」が92.6%、「居住組合員の同居親族」が20.4%、「居住していない 組合員」が18.9%、「賃借人」が3.3%となっています。
居住の区分所有者を役員の範囲としているケースが9割を超えていますが、この範囲を広げることで役員のなり手の確保を目指します。

管理規約を改正して役員の範囲を広げる

マンションによっては管理規約に「組合員のうちから」ではなく、「現に居住する組合員のうちから」と規定されています。理事のなり手不足の場合には、役員の資格要件を緩和して「現に居住する組合員のうちから」を「組合員のうちから」にするのもひとつの方法です。更に、区分所有者(組合員)からの選出するのが困難な場合には「区分所有者の家族も含む」と制限を緩和することもできます。

標準管理規約(役員)第35条
2 理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。

役員の資格要件の緩和例

役員の資格変更の例

  • 現に居住する組合員 ⇒ 組合員のうちから
  • 組合員の「配偶者」「成年者である一親等の親族」を追加

他にも、賃貸人等の占有者などを追加することもできますが、役員資格をどこまで広げるかについては慎重に検討する必要があるでしょう。

なお、規約の変更は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によっておこなう必要があります。

総括

区分所有者の高齢化や賃貸化などにより、役員(理事)のなり手をみつけることが困難になっているマンションが増えています。こうしたマンションでは役員の資格制限を緩和することによりなり手を確保する方法があります。
区分所有法では、役員(理事)資格に制限はないため、マンション毎の管理規約を変更することによって役員の範囲を広げることができます。
例えば「現に居住する組合員」を「組合員」に変更したり、「配偶者や親子」などを追加することもできます。このように役員の制限を緩和することは、役員(理事)のなり手不足を解消するための有効な方法です。