マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

ITを活用したこれからのマンション管理組合運営とメールもできない居住者の存在

マンション管理組合の業務は昔ながらの対面でのやりとりや、紙をつかった方法に頼っています。管理組合のIT化は業務の効率化に欠かせませんのでその活用法について考えてみます。

理事会と管理会社のIT化の現状

マンション管理会社の担当(フロント)と理事とのやり取りは、電話や郵便、よくてメールではないでしょうか。理事会のスケジュール調整は回覧や郵送などで希望日を確認するなどの方法はいかにも非効率です。

ポイント│実は管理会社の担当者も困っている

管理会社の担当(フロント)も、新しい理事長がメールなどを使えないとわかると、言葉は悪いのですが、がっかりしているのが素直な気持ちです。日中、電話で連絡を取れる方であれば良いのですが、それも難しいとなると郵送や訪問をするしかありません。これでは速やかな理事会運営は不可能です。

メールでのやり取りであれば、例えば、議事録の素案の確認もスピーディーになるし、記録が残るので後々のトラブルを減らす効果もあります。

こうしたことを考慮すれば、少なくとも管理会社の担当者と頻繁にやりとりを行う必要のある理事長はメールを使える方が望ましいでしょう。

メールアドレスを知られるの抵抗感があるならGmailなどのフリーメールを理事会活動用に取得しても良いでしょう。

マンション管理組合内の情報共有

理事会内部での情報共有
理事会のメンバー同士の連絡先の交換については意見の分かれるところです。同じ建物内に住んでいるとはいえ、年代や価値観の異なる方とメールアドレスの交換ことに抵抗があるからです。管理組合や理事会後にに考え方は異なりますが、理事同士を連絡先を交換しないで管理会社をとおしての交流に留めるケースもあります。ただし、速やかで熱心な理事会運営には、理事同士の協力関係がかかせないので、できればメールアドレスの交換だけでもおこなった方が望ましいでしょう。

マンションで課題を抱えていたりと頻繁に理事同士での打ち合わせが必要な場合には、サイボウズ等のグループウェアの活用も有効です。

汎用のグループウェアの活用

マンション管理組合専用の情報共有ツール

ただし、管理組合全員でWeb掲示板等を使用する場合には、誹謗中傷などで荒れる可能性があるので、運営には注意が必要です。

SNSの活用

FacebookやLINEなどのグループ機能も理事のやりとりには利用できます。しかしこうしたSNSはプライベートのつながりを基本としているため、理事同士のやり取りに利用するのには、あまり向いているとはいえません。

Facebook - ログインまたは登録
Facebookアカウントを作成するか、ログインしてください。友達や家族と写真や動画、近況をシェアしたり、メッセージをやり取りしましょう。
SNSでの交流は、こうした情報交換に積極的な住民とそうでない住民の対立が深まる恐れがありますので注意が必要です。

マンション理事会の未来

理事会を集まらないで行なうWebサービス

マンション管理会社の大和ライフネクストが、Web上での理事会開催・質疑応答・決議を可能としたシステム「Web理事会サービス」を開発したとのニュースがありました。従来のみんなが同じ空間で顔をあわせておこなう対面式理事会もいずれは過去のものになるのかもしれません。

大和ライフネクスト、Web上での理事会開催・質疑応答・決議を可能としたシステム「Web理事会サービス」を開発
発表日:2017年12月19日 ~理事会は都合のよい時間にWebで参加! マンション管理業界初 Web上での理事会開催システム~ 「Web理事会サービス」提供開始のお知らせ    大和ハウスグループの大和ライフ
いわゆる投資型やリゾート型マンションのように理事会の開催が困難なマンションではすぐに受けいれられる可能性もあります。

Web会議システムをつかった理事会運営

Web会議は自宅や外出先など場所を選ばないで使用できますので、管理組合での利用にも応用できるでしょう。

総会の新しいやり方

総会で票を集計するのは意外と手間が掛かります。そこで、これらの作業を電子投票でできるシステムが出始めてきました。パソコンやスマートフォンで投票することが可能なので、タワーマンションなどの大型マンションや、投資型やリゾートマンションなどには、有益なシステムです。

ただし、まだまだパソコンやスマートフォンなどを取り扱えない高齢者などもいますので、電子投票システムを導入する場合でも、これまでのどおりの紙の使用も選択肢として残す必要があります。

集計ジョーズ
電子投票システムのスタンダードとなるクラウド型の投票システム
マンション管理、労働組合、学術学会、株主総会、政治政党、地方自治体、電子投票システムならグラントへ
マンションの総会で電子投票を利用する場合には、管理規約の改正が必要になる場合が多いでしょう。

重要書類のデジタル化

現在の管理組合で多く使われているデジタル技術は、設計図面や構造計算書などの重要書類のデジタル化です。多くの管理会社でこうしたシステムが使われているので分譲時から書面のデジタル化が行なわれています。一方で築年数の経ったマンションや管理会社によっては、こうした重要書類が管理員室の棚に収納されていることもあります。

こうした場合には、紙の劣化や紛失等の恐れもあり、いざ大規模修繕工事や排水管等の改修などとなった場合に見つからないケースも少なくありません。

重要書類を電子化する

電子化をされていないマンションでは特に竣工図書などは大判の図面が多く、個人でのスキャンは難しいので業者に依頼しましょう。

マンションみらいネット
「マンションみらいネット」は、マンション […]
公益財団法人マンション管理センターが提供する「マンションみらいネット」には、管理組合の有する管理規約などの書類を電子化して保管し、インターネットで閲覧できるようにする仕組みや紙の図面を電子化する機能もあります。

IT化するとむしろ非効率?

妨げている原因は、インターネットやスマートフォンを使えない居住者の存在です。せっかくウエブ上で情報共有しても極端なことをいえば、居住者の中にひとりでもインターネットを使えない方がいれば、紙と併用するしかありません。これではむしろIT化することによって非効率になってしまいます。こうしたマンション特有の問題から、非効率な昔ながらのやり方が続けられ一部の理事の負担や管理会社の業務を増やしています。

しかし、昨今の人手不足で管理員などなり手不足の問題や人件費の高騰など、マンション管理組合のIT化は不可欠になってきています。

総括

マンション管理組合の運営は、マンションに備え付けれた掲示板や書類の各戸配布などの方法によっておこなわれていいます。

昨今では、業務の効率化のためにさまざまなITツールが使われるようになってきましたが、マンション管理業に関していえば、なかなか普及していないのが現実です。

補足│管理員がAIになる?

こうした中、 マンション管理会社の大京アステージは、「AI管理員」「AIコンシェルジュ」の年内開始を目指した実証実験をはじめています。いずれは、こうしたAIがマンションの居住者と管理会社の窓口になる時代になるのでしょう。

AIがマンション居住者の「快適な生活」をサポートする時代へ | 住まいも 長生きする国へ。大京グループ
AIのマンション管理業務での活用を目指し、業界に先駆けて実証実験を開始した、マンション向けの「AI管理員」、「AIコンシェルジュ」という二つのサービスをご紹介します。