給排水管改修工事(交換・更生)の流れと円滑に工事を進めるためのポイント

管理組合向け
管理組合向け
マンションでは竣年数が30~35年になると給水管や排水管の老朽化に伴う改修工事をこなう必要があります。給排水管が劣化すると、配管内の腐食が進行して詰まりや漏水の原因になり日常生活に支障をきたします。給排水管改修工事では「配管をすべて交換する場合」や「配管内にライニングをして配管を延命する」など様々な改修方法があります。今回は、マンションにおける給排水管の改修の流れとポイントについて学んでいきます。

マンションの給排水管改修工事

マンションの給排水管改修工事
マンションの給排水管改修工事(更新・更生)では、工事期間中は基本的に専有部内に入室しての作業が中心になるため、工事期間中は、断水や使用制限などマンションの住人に負担が掛かります。したがって、給排水管改修工事に際してはマンションの住人の協力が不可欠です。そのため、工事を成功させるには、いかにしてマンションで暮らす住人の理解を得るかにかかっています。

給排水管改修工事の流れ

  • STEP.1 修繕員会の立ち上げ

    ある程度に規模のマンションであれば、給排水管改修工事に向けた修繕委員会を立ち上げることが望ましいでしょう。給排水管改修工事は、大規模修繕工事と同等、もしくはそれ以上に長期間の検討期間が必要となるからです。修繕委員会の活動状況は広報紙や議事録等で、住人に適宜周知することで工事への理解を得られるようにします。

  • STEP.2 コンサルタントの選定

    給排水管改修工事では、どのような施工方法を採用するかは、給排水管の劣化状況や、配管スペース、系統等、様々な条件に影響されます。そのため、どの施工方法を採用するかは、あらゆる可能性を事に前調査しておくことが肝心です。こうした判断は、管理組合のメンバーでおこなうことは難しいため、マンションの設備専門のコンサルタントに協力を仰ぐことが望ましいでしょう。

  • STEP.3 事前調査(配管の劣化診断)

    給排水管の現在の劣化状況を把握するために「内視鏡調査」や「サンプリング調査」などの専門的な劣化診断をおこないます。また、住人にアンケート調査をおこなうことも必要です。こうした調査結果を基に理事会やコンサルタント、修繕委員会で具体的な施工方法を検討します。「現在の配管を撤去して新しい配管と交換する更新工事か、配管内の錆や汚れを除去した後に配管内に樹脂を塗って配管の延命を図る更生工事を採用するか」をこの段階で決定します。

  • STEP.4 施工会社の選定

    修繕委員会では、コンサルタントの意見を参考にしながら、複数の施工会社から提案を受け後、その中から1社を内定します。施工会社の募集では、業界紙に公募する方法もあります。

  • STEP.5 総会承認

    総会で、給排水管改修工事の「施工会社」「発注金額」等を議案として承認を得ます。また必要に応じて管理規約の変更案も審議事項に加えます。

  • STEP.6 工事概要説明会の開催

    給排水管改修工事の実施前には、必ず施工会社がマンションの住民に向けて「工事説明会」を開催して「工事の日程」や工事期間中の「住戸内での制限事項」などを確認します。

  • 給排水管改修工事実施

    給排水管改修工事は概ね1~2ヶ月の期間にわたっておこなわれます。

管理規約の改正が必要?

マンションは共用部分と専有部分に分かれますが、各管理規約によって境界が定められます。給排水管の改修工事では、共用部分だけでなく専有部分である横引管も範囲に含まれるため、管理組合が専有部分の工事をおこない、一括して修繕積立金から支払うことの是非は見解が分かれるところです。したがって、管理規約を改正して給排水管については専有部分であっても「管理組合が維持管理をおこない修繕積立金から支払う」ことを明文化しておいた方が望ましいでしょう。

この記事のまとめ

給排水管改修工事では、大規模修繕工事と同様に実施までに様々な検討をおこなう必要があり検討段階から工事終了まで長期間を要します。そのため理事会のメンバーだけでは荷が重いため、修繕委員会や外部のコンサルタントの力を借りる必要がるでしょう。

給排水管改修工事では、大規模修繕工事とは違って住戸内に入室しておこなう工事が中心であることからマンションに暮らす住人の協力が不可欠です。例えば、工事期間中は「在宅」や「排水の使用禁止」といった住人の協力が必要な場面が多いため、非協力的な住人がいては円滑に工事を進めることができません。

そのためには理事会・修繕委員会は、住人の方に改修工事の「必要性」や「工程」を積極的に広報することで、住人の不満・不安を取り除き、工事に対する理解を得ることが改修工事を成功させる重要なポイントです。

管理組合向け
この記事を書いたヒト
編集部

「マンション管理の教科書」は『伝え方を変えれば管理組合に届く』をコンセプトに多くの問題を抱える管理組合に有益な情報提供や魅力的なサービスをつなげるプラットフォームです。

【マンション理事長の教科書】をフォロー
マンション管理の教科書