マンション管理のヒントがいっぱい

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マンション管理組合の総会・議事録の書き方(作成義務・記載内容)

マンション管理組合の総会の議事録は、区分所有法により議長(理事長)が作成することが義務付けられています。総会の議事録は、一般的には管理会社の担当者(フロントマン)が下書きをおこなった上で、理事長が確認・修正をおこなう方法で作成されますが、管理会社任せにしないでしっかりと確認をおこなうことは、理事長の義務です。今回は、総会の議事録の書き方や注意点などについて学んでいきます。

マンションの総会の議事録の作成義務とは

区分所有法では、マンション管理組合の総会の議事録の作成が義務付けれています。重ねて、マンションの管理規約でも総会の議事録を作成が規定されてることが一般的です。総会の議長である理事長は総会終了後に議事録の作成を必ずおこなわなければなりません。

総会の議事録に記載する内容

総会議事録の記載事項の例

  • 日時(例/〇〇年○月○日(○)〇〇~○○時
  • 場所(例/管理室・集会室)
  • 組合員総数
  • 議決権総数
  • 出席組合員数
  • 出席議決権数(本人出席数、委任状による代理人出席数、議決権行使書面数)
  • 議長(理事長)の開会宣言
  • 【※】議案(1~)
  • 【※】議案についての簡単な説明
  • 【※】議案の採決の結果
  • 【※】賛成議決権数○○
  • 【※】反対議決権数○○
  • 議長(理事長)の閉会宣言

※ 議案の数だけ繰り返します。

マンションの総会・議事録の作成者

総会の議事録は、議長である理事長が通常は作成する義務があります。理事長以外の区分所有者が総会を招集した場合には、招集者の中の1人が議長となり議事録の作成義務が生じます。

実務上では、管理会社の担当者(フロントマン)が素案を作成して、それに議長(理事長)が「修正」や「追記」をおこなう方法で議事録を作成する方法が一般的です。

この場合でも、議事録の作成の責任者は、はあくまで議長(理事長)ですので、あとから議事録の記載内容がもとでトラブルになった場合には「管理会社が作成したものだ」といった言い訳は通用しないことになります。

こうしたことのないように、「理事長」や「議事録署名人」は、議事録の作成を管理会社任せにしないで、審議結果に「間違い」や「記載漏れ」がないか責任を持って確認をおこなうことが重要です。

総会の議事録は、区分所有法に「議事の経過の要領及びその結果」を記載する義務が定められていますので、これを省略することはできません。また、議事録の末尾には、議長(理事長)の他、議事録署名人2名の計3名が署名・押印をおこないます。

補足│法令や管理規約の「議事録」に関する記載

区分所有法(抜粋)
第四十二条 集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
3 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない。

標準管理規約(議事録の作成、保管等)
第49条 総会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。
3 理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
4 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。

総会議事録作成における確認事項

確認事項1│質疑応答の記載義務・他

総会での質疑応答については、区分所有法や管理規約での記載義務はありません。質疑が活発におこなわれた総会では、すべてを記載すると冗長になりますので省略することも致し方ありませんが、採決に影響を及ぼすような重要な質疑については、記録しておくことが望ましいでしょう。

また、後日、議事録のコピーを区分所有者全員に配布することを念頭に置いて、個人情報の記載については、注意を払います。

確認事項2│総会議事録の虚偽の記載

総会の議事録は、区分所有法の規定により、議事録の作成を怠ったり、記載すべき事項を記載しなかったり、事実に反する虚偽の記載をした場合には20万円以下の過料に処されます。

区分所有法・第三章 罰則
第七十一条(一部抜粋)
三 議事録を作成せず、又は議事録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。

確認事項3│総会の議事録の完成後の取扱い

議長の他、議事録署名人の2名、計3名の署名が終了した総会議事録の原本は大切に保管する義務があります。

また、総会の議事録は、区分所有者全員にコピーを配布することが一般的です。また、議事録の原本は利害関係者から閲覧の申請があった場合には、議事録の閲覧に応じる必要があります。

確認事項4│議事録は迅速に作成する

議事録でもっとも大切なことは正確性ですが、そのためには何よりも総会終了後、記憶が鮮明なうちに迅速に素案を作成することです。

一般的には管理会社の担当者(フロントマン)が素案を作成しますので、1週間以内を目処に素案を作成するように依頼をします。

また、総会の議事録は、利害関係者に閲覧をさせる義務がありますので、議事録署名人によるよる記名・押印の時間を含めて遅くとも1ヶ月以内での完成を目指します。

総括

総会の決議は、区分所有者だけではなく、「賃借人」や「同居人」などの占有者に対しても一定の限度で効力を有します。

そのため、総会議事録は、総会に参加しなかった方にも内容が伝わるように漏れのないように正確に記載されなくてはなりません。総会の議事録は、区分所有法の規定により、議事録の作成を怠ったり虚偽の記載をした場合には罰則規定もありますので注意が必要です。