マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

マンション管理組合の理事会・議事録の書き方(記載内容・体裁)

マンション管理組合の理事長になると「理事会」や「総会」の議事録の作成義務が生じます。議事録は、一般的には管理会社の担当者(フロントマン)が素案を作成しますが、その素案を確認・修正をおこなうのは理事長の大切な仕事です。今回は、理事会の議事録の書き方や注意点などについて学んでいきます。

理事会の議事録の基本的な書き方

理事会の議事録は、理事の責任を明らかにする目的もあるので明瞭かつ克明に記載しなければなりません。大多数の管理組合では、管理会社の担当者(フロントマン)が議事録の素案を作成しますが「意識の高いマンション」や「自主管理マンション」では理事長や書記担当の理事が、はじめから議事録を作成する場合もあります。

いずれにしても、正確な議事録を作成するためには、会議(理事会)の途中にしっかりとメモを取り審議内容を克明に記録することが大切です。
議事録作成担当者は、理事会の会議の中で不明瞭な事柄については、都度、結果について確認を取ることが重要です。

また、出席理事の許可を取り、ボイスレコーダーなどで理事会の記録を取る方法もありますが、それを基に議事録を書き起こすのは効率が悪いため、あくまで録音は記憶の補助として利用すべきものです。

理事会の議事録に記載する内容

理事会議事録の記載事項の例

  • 日時(例/〇〇年○月○日(○)〇〇~○○時
  • 場所(例/管理室・集会室)
  • 理事の総数(例/4名)
  • 出席者数(例/3名)
  • 出席者の氏名(例/田中・山田・鈴木)
  • 審議事項
  • 議事の経過の概要及び決議の結果
  • 議事録署名人の選任に関する事項

基本的に、理事会の議事録は、総会の議事録に準じて作成することになりますので、「議事の経過の要領及びその結果」を記載することになります。議事録の末尾には、総会の議事録に準じて、議長(理事長)の他2名の理事が署名・押印します。

補足│マンションの理事会の議事録の作成義務とは

区分所有法には、総会の議事録の作成する義務が定められていますが、理事会議事録についての定めはありません。

しかし、マンション標準管理規約では、総会議事録に準じて理事会の議事録を作成するように規定されていますので、ほとんどのマンションでは、理事会の議事録の作成は義務になっています。

仮に管理規約に、理事会議事録の作成についての記載がない場合でも、理事会での検討事項を記録として残すことは重要なことですので議事録は必ず作成するようにします。

管理規約の「議事録」に関する記載

標準管理規約(議事録の作成、保管等)
第49条 総会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。
3 理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
4 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。

標準管理規約(理事会の会議及び議事)
第53条(抜粋)
議事録については、第49条(第4項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第2項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。

理事会の議事録作成についての確認事項

確認事項1│理事会の議事録の体裁(様式)

理事会の議事録は、マンション毎の様式(テンプレート)を事前に定めることで統一感のある見やすい議事録になるため、「記載事項」やフォント(明朝・ゴシック)や文字サイズの統一をおこないます。

管理会社の担当者(フロントマン)が議事録の下書きを担当する場合には、担当者の交代の都度、議事録の様式がかわることがあります。この場合には、以前の様式に従うように指示をおこないます。

確認事項2│マンションの理事会・議事録の作成者

理事会の議長である理事長が作成することが基本ですが、一般的には、管理会社の担当者(フロントマン)が素案を作成して、それに理事長が「修正」や「追記」をおこなう方法で議事録を作成します。

しかし、議事録の作成者はあくまで議長(理事長)ですので、管理会社の担当者(フロントマン)が作成した素案を確認・修正することは、議長(理事長)や理事会に出席した理事の大切な仕事です。

議事録の作成を管理会社任せにしないで「審議結果に間違い」や「記載漏れ」がないか責任を持って確認をおこないます。

確認事項3│理事会の議事録の完成後の取扱い

議長の他2名、計3名の署名が終了した理事会議事録の原本は大切に保管します。また、議事録が完成した時点で、理事会からの広報として、管理組合毎のルールに応じて、コピーを掲示板に張り出したり配布するなどの対応をおこないます。また、標準管理規約によれば、利害関係者から閲覧の申請があった場合には、議事録の閲覧に応じる必要があります。

確認事項4│理事会の議事録は迅速に作成する

理事会の議事録作成で最も大切なことは正確性ですが、そのためには何よりも理事会終了後、記憶が鮮明なうちに迅速に素案を作成することです。

一般的には管理会社の担当者(フロントマン)が素案を作成しますので、1週間以内を目処に素案を作成するように依頼をします。

また、議事録のコピーの配布などが遅くなると、理事会の活動に対する居住者からの不信感などにつながりますので、理事による訂正の時間を含めて遅くとも次回の理事会(1ヶ月以内)までの完成を目指します。

総括

理事会の議事録作成で最も重要なことは審議の内容を正確に記載することです。次に迅速に議事録を作成した後に、コピーなどの配布をおこなって広報をすることです。理事会の活動や検討事項を、他の組合員に逐次周知することは、管理についての関心の向上につながります。

議事録は「管理に関する専門用語を用いること」や「美しい体裁であること」よりも、議事録の目的はあくまで記録として残すものですので、あまりこうした事に時間をとられるよりも正確に迅速に作成することが大切です。