マンション内の「コミュニティ」のあり方と「メリット」「デメリット」

管理組合向け
管理組合向け
マンション内のコミュニティは「大地震などの災害後の協力」や「価値観の違いによるトラブルの未然防止」などに不可欠なものです。コミュニティとは簡単に言えばご近所づきあいのことです。マンションでのコミュニティーの形成は多くのメリットがある一方で、わざわざ管理組合で内でコミュニティを作る必要はないだろうという意見もあります。今回はマンションでのコミュニティのあり方について考えていきます。

マンションのコミュニティとは?

マンションのコミュニティとは?
マンションのコミュニティとは、一戸建ての住宅と同じように隣接するお部屋の住人との交流といった個人個人のつながりや、分譲マンション特有の「理事会」や「総会」といったマンション管理を共同でおこなう上で不可欠なグループのことを指す場合もあります。

マンションには、世代や動機、目的が異なる方々が一つの建物の中で共同生活を営むので価値観の違いから予期せぬトラブルが起こります

昨今分譲マンションでは「理事のなり手がみつからないと問題」や「総会の成立が困難」といった管理組合が増えていますが、こうした原因のひとつとして、マンション内でのコミュニケーション不足があげられます。

コミュニティについての2つの価値観

コミュニティについての2つの価値観
マンションには、さまざまな価値観を持つ住人が暮らしていますが「コミュニティ」に対する考え方は、大きく分けて2つに分類されます。

価値観1│ホテルライクなマンション生活を期待

このタイプの方は、煩わしいご近所付き合いなどに嫌気を指して、マイペースで、悠悠自適なマンション生活を望んでいる方です。こういったタイプの方は、一般的にあまり管理組合の運営活動には熱心でない方が多いようです。マンション管理組合の消防避難訓練など、マンションのイベントになかなか出席しません。

価値観2│マンション内のコミュニティに積極的

ひっそりとした生活を望む方がいる一方で、マンションならではの共同生活を満喫するためにマンション内のコミュニティ形成に非常に熱心な方もいます。理事になった場合には、マンション内での忘年会や納涼祭などのイベントを企画したり総会の後に懇親会を実施したりと非常に熱心にコミュニティの形成を図ります。

年代別のコミュニティに対する考え方

新築当時、比較的近い年代の方が暮らすことが多いマンションが、築20年、30年と経過してくると、世代も随分と様変わりし、コミュニティの形成に積極的な方とそうでない方がはっきりと分かれてくる傾向があります。

年代別1│年配の方のコミュニティ観

あくまで、一般的な傾向ですが、年配の方は時間に比較的ゆとりがあるせいか「総会」や「理事会」といった管理組合運営活動、また消防避難訓練その他のマンションのイベントごとに積極的に参画される傾向が強いようです。

年代別2│若い世代のコミュニティ観

これに対して、若年層の方々は小さいお子さんのお世話や日々の仕事に忙しく、管理組合の運営活動やマンションのコミュニティ形成云々よりも、自分たちの生活スタイルや価値観を重視する方が多いため、管理組合のイベントにはあまり参加しません。

マンションのコミュニティのあり方

マンションコミュニティについての考え方は、生活様式の違いに加えて、世代間における物事の価値観、考え方の違いという面もありますので、どちらが良いとか悪いとか、軽々しく結論できるような性質の話ではありません。普段は挨拶程度であっても、いざというときには相互に助け合うことのできる「緩やかな結びつき」というものが今後のマンションコミュニティの目指すべき一定の方向性です。

メリット│マンションコミュニティ

「ご近所づきあいは嫌だ」という方もいますが、「南海トラフ地震」「首都直下地震」といった大地震が予測される中、マンション内でのコミュニティ形成の重要性が見直されています。マンションでは在宅避難が推奨されていますが、マンション内での人命救助や安否確認など、ともに助け合える関係性が重要です。

コミュニティのメリット1│生活の質の向上

近所付き合いが嫌いな方でも、エンタランスホールやエレベーター内での挨拶などは重要だと考える方は多いはずです。隣接する住戸に誰が住んでいるかわからないよりは、挨拶やごく簡単な世間話をできる関係は多くの方が望むものです。高齢者や、単身世帯、小さな子どもがいるご家庭では、同じマンションに知り合いがいることは安心感や生活の質の向上につながります。

コミュニティのメリット2│合意形成が容易になる

例えば「大規模修繕工事」や「管理費の値上げ」など、マンション内での重大な議論の際に、紛糾する原因のひとつとして住人間のコミュニケーション不足があります。普段から顔見知りの者同士であれば、例え意見の食い違いがあっても相手を誹謗することなく、前向きな意見交換ができます。コミュニティがしっかりしていると管理組合の活動における合意形成がよりスムースにいくようになります。

コミュニティのメリット3│災害時の住人間の協力

大規模な地震が発生した場合には、管理会社や警備会社も被災者になりますので、管理会社がすぐに助けに来ることは困難です。災害時には、マンションの住人や理事会が中心となって行動することが必要です。このように住人が行動するには、普段からマンション内にコミュニティが形成されていることが基本です。災害からの復興を迅速に進めるためにはマンション内のコミュニティは不可欠です。

デメリット│マンションコミュニティ

もともと近所付き合いが苦手な方やプライベートを詮索されることが嫌いといった理由で、マンション内でのコミュニティそのものを望んでいない方も少なからずいます。理事会でいくらコミュニティ形成のためのイベントや懇親会を企画しても、参加を強制したり価値観を批判することは、あらたな火種をつくることになります。

マンション内でのコミュニティ形成を目指す中で「コミュニティを望まない価値観」をもった住人との対立がマンションコミュニティを構築を目指す段階でのデメリットといえます。ただし、いくら人付き合いをが苦手といっても順番で回ってくる「理事への就任」や「総会への出席」は、分譲マンションに暮らす上での義務ですので価値観に関わらず積極的に取り組むべきものです。

この記事のまとめ

マンションでの共同生活は、価値感の違いにより予期せぬトラブルが発生しします。こうしたトラブルを未然に防ぐには、マンション内のコミュニティがしっかりと形成されていることが重要です。また、マンション内に誰も知り合いがいないといったことでは安心して暮らすことはできないでしょう。

マンション内でコミュニケーションのきっかけは「理事就任」や「総会への出席」です。マンション内のコミュニティは、こうした住人一人ひとりの小さな行動からつくられていくものです。

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編集部

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