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【第4章】管理人業務の基本

管理員向け
管理員向け
マンション管理業界未経験で定年退職後に管理人に挑戦する皆さんが、初めてでも安心できるように現場で直面することの多い悩みの解決方法や必要なノウハウなど、管理人として最低限必要な知識をまとめています。
【第1章】マンション管理会社総論
【第2章】管理員に必要な予備知識と心構え
【第3章】マンションから求められている管理人像
【第4章】管理人業務の基本
【第5章】管理員の実務
【第6章】ルール違反者やクレーマーへの対応方法
【第7章】管理員業務における重大ミスを未然に防ぐ
【第8章】管理委託契約書の遵守と契約外事項の対応
【第9章】マンション管理の基礎知識

あいさつが基本

管理人さんはこれまでの長い人生経験の中でサービス業を経験したことがないことも多いでしょう。こうした方の中には笑顔であいさつするができない極端にコミュニケーションが苦手な方もいます。
こうしたタイプの方は、もくもくと仕事をこなす方も多く実際には管理人業務に向いていることが多いのですが、住人からは愛想が悪い、コミュニケーション能力がないというレッテルを貼られてしまいがちです。
各々もっている性格があるので苦手な方が必要以上に住人の皆さんに愛嬌を振りまく必要はありません。ただ、せっかく優秀な管理人さんなのに無愛想なだけで「あの管理人さんは何を考えているかわからない」となってはもったいないでしょう。
コミュニケーションが苦手な管理人さんは、まずは軽く会釈からはじめて慣れてきたら「いいお天気ですね」「今週は消防点検ですよ」こんな一言がでればいうことありません。

タイムスケジュールをつくる

自分なりのスケジュールをつくる
委託契約書の内容を厳守する
管理委託契約書に記載されていることはあくまでも管理会社が最低限これだけはやると定めた約束ごとですので、そこには、管理人さんの現地での細かな作業スケジュールの記載はありません。
したがって、契約書と齟齬がおきない範囲で管理人さんが自由にタイムスケジュールを作成できます。例えば、一日の流れや清掃をどのような順番でやるかといったことは、仕事のことを一番理解している管理人さんが作成すべきことでしょう。
また、管理人さんがある程度決まった手順で作業することで、住人からしてもこの時間は管理人さんが上の階で掃除をしているといった予想がつくことで安心できるといった効果もあります。
ただし、管理委託契約書の内容は遵守する必要がありますので、業務をすすめるなかで契約書の見直しが必要な場合もあるかもしれません。この場合には物件担当者に要望を伝えましょう。

ローカルルールをつくらない

マンションには各々個性がありますので、管理会社が作成した基本ルールをすべてのマンションに当てはめることは大変困難です。それでも、管理会社は常にルールを見直してできる限り管理しているマンション全てに同じルールを当てはめるようにしています。

  • 均一なサービスを提供するため
  • 業務を効率よくおこなうため
  • 引き継ぎを確実におこなうため

したがって、管理人さんもできる限り新たなローカルルールをつくるような行為は避けなければなりません。例えば、会社で禁止されているにもかかわらず管理室で宅配便の荷物を預かったり、町内会から頼まれて町内会費を徴収したりといった行為は不適切です。
なぜならば、管理人さんの親切心でなにげなくはじめたことが既成事実をつくり、そのマンションでのあたりまえのルールになることが多々あるからです。
その管理人さんがいる間は住人にとって良いサービスになるかもしれません。しかし、管理人さんもスーパーマンではありませんから病気で入院して一定期間不在になるリスクや、いずれは定年退職です。
困るのはそのときです。マンションのルールが管理人さんの頭の中にしかなかったら管理会社が同様のサービスを継続して提供すことは困難です。
また、次の管理人さんが同じことをできるとも限らないのでマンションごとのローカルルールをつくることはできる限り避けるようにしなければなりません。

協力業者との付き合い方

建物や設備の維持管理のためにマンションには多くの業者が出入りします。管理会社とこうした業者との関係は、マンションに良い管理を提供するための仲間です。
管理人さんはマンションのことを一番よく知っている門番のような立場なので「マンションで一番偉い」と錯覚することがあります。
悪い例としては、管理員さんがこうした出入り業者に対して横暴に接するケースです。
しかし、実際には管理人さんに何か困ったことがあったときに最も頼りになるのはこうした業者の皆さんです。
例えば、管理人さんが植栽に水やりをしていて植栽に元気がないことに気づいたら、植栽管理にくる業者さんに対応方法について質問をします。また、管理室にある消防設備の使い方が分からない場合には消防設備点検にきている業者さんに使用方法を聞けるでしょう。
普段から管理人さんがこうした業者とよい関係を築いていれば、きっと親切に対応してくれるはずです。
反対に、嫌な管理人さんがいるマンションには業者の皆さんもできる限り近づきたくないでしょう。こうなってしまってはマンションにとっても大きな損失になってしまいます。

住人はお友達ではない

  • 住人全員と平等に接する
  • 親しき中にも礼儀あり

一般の会社員と違って管理人さんは側に同僚がいないのが寂しいところです。こうした事情もあって、つい仲良くなった住人とお友達のように接してしまうことがあります。
しかし、忘れはいけないのは今お話をしている住人は友達ではなく「お客様」だということです。親しき中にも礼儀を忘れてはいけません。
また、嫉妬深い奥さまが女性の管理人さんとご主人が親しくしていることに不満を募らせるなんてこともあります。
その他にも、小さいお子さんを管理人さんが抱っこしたことでトラブルにつながるケースもあります。マンションの住人は全員平等にお客様として接することで、誤解されることのないように注意をしましょう。

管理室の整理整頓

  • 管理室は管理組合のもの
  • 管理室は管理人の職場

一般的に管理室は管理組合の所有物なので管理会社は、委託契約書に基づき管理組合から無償で場所をお借りしています。もちろん借りている以上は大切に使用するのは当然のことです。
しかし、管理人さんによっては管理室を自分の部屋のように私物を置いたり、リラックスできるように配置変更をおこなったりという悪い例も見受けられます。管理室には管理会社以外の業者やマンションの住人が出入りすることもありますので、こうなってしまっては管理会社の評判を落とすことになります。
また、管理室の整理整頓がなされていないと思わぬ紛失事故にもつながりかねません。
管理室は管理人さんの職場でもありますので整理整頓をして効率的に仕事をできる環境を維持するように努めましょう。

掲示板の活用

  • 情報を正確につたえる
  • 威圧的な内容はご法度

管理人さんのお仕事で重要な役割を占めるのが掲示物の管理です。会社や点検業者から依頼を受けて管理員さんが「点検のお知らせ」の掲示や、居住者に「ゴミ置場」や「騒音」に関するルールを周知する場合などに掲示板を活用します。
掲示物には原則として掲示する期限を設けて、期限がすぎたものに関しては適宜掲示板から撤去するようにします。
会社のルールにもよりますが文面は物件担当者がパソコンで作成することが多いでしょう。管理人さんが作成する場合には雛形などを参考にビジネス文章になるように心がけます。
なお、管理員さんの判断でマナーの悪い住人に対して威圧的な文面で注意文を貼るなどの行為は禁止事項です。

体裁も重要

男性の管理人さんの中には体裁にあまりこだわりがない方が多いようです。こうした管理人さんがべたべた貼った掲示物や注意文の影響でマンションの見栄えが悪くなることもあります。
緑色の養生テープでベタベタ手書きの注意文をマンションに貼り付けていては、マンションの資産価値にも悪影響を与えかねません。
住人の中にはマンションのデザインに惹かれて購入した方もいます。こうしたことを十分理解した上で注意文の貼付が本当に必要であるか、必要であっても両面テープできっちりと真っすぐに貼るなどの配慮が必要です。

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