
マンションの管理会社を変更するときには、管理組合の「総会」での承認が必要になります。とはいえ、いま契約している管理会社に手厚くサポートしてもらうのはなかなか難しいところ。そんなとき、理事会が主導して総会をスムーズに進めることが大切になります。この記事では、管理会社変更に向けた臨時総会当日の理事会の対応ポイントについて学んでいきます。
総会の当日、理事長が担うべき説明とは?
管理会社を変更する理由や新しい管理会社を選んだ背景は、住民にとって非常に重要な情報です。たとえ事前説明会で説明済みであっても、総会は「最終決定の場」。議長である理事長は、改めて経緯や判断基準を丁寧に説明しましょう。
また、総会の前には、新しい管理会社による重要事項説明会(管理委託契約に関する説明)を設けるのが一般的です。ここで新しい契約内容に不安を持たせないようにしておくと、総会での審議がスムーズになります。
新しい管理会社の担当者にも同席してもらおう
総会には、新しい管理会社の担当者(フロントマン)にも出席してもらいましょう。ただし、主催はあくまで「管理組合」。議案の説明や進行は、理事会が主体となって進めるのが原則です。
フロントマンの役割は、必要に応じて補足説明をおこなうオブザーバー的な立場。また、組合員との顔合わせの意味もあり、今後の信頼関係構築にもつながる大切な場となります。
決議は「普通決議」でOK。過半数の賛成を目指そう
マンション管理会社の変更は、標準管理規約において「普通決議事項」にあたります。つまり、出席した組合員の議決権の過半数で承認されればOK。
ただし、質問や反対意見が出る可能性もあります。理事会ではあらかじめ新しい管理会社の担当者とも打ち合わせをし、想定問答を準備しておくと安心です。
総会後の流れも、しっかりフォローを
総会で管理会社の変更が承認された後には、新しい管理会社の担当者から今後のスケジュールや手続きについて説明をおこないます。管理費や修繕積立金の支払い方法が変わることもあるため、組合員にとって必要な手続きの案内はとても重要です。
新管理会社にスムーズに引き継ぐためにも、理事会としてフォロー体制を整えておきましょう。
まとめ
マンションの管理会社を変更する臨時総会では、現行の管理会社の協力が得られにくいため、理事会が主導して運営する姿勢が大切です。新しい管理会社の担当者も同席しますが、議案説明などは理事長が中心となっておこなう必要があります。総会では、住民からの質問や反対意見が出ることも想定されるため、事前に理事会内で打ち合わせや質疑応答の準備をしておきましょう。無事に承認されたあとは、新しい管理会社から今後の流れや手続きについて説明をおこない、スムーズな移行をサポートすることが理事会の役割です。