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マンション管理会社の変更時には新旧マンション管理会社の引継ぎが重要


マンション管理会社変更時の引継ぎ

マンション管理会社の変更(いわゆる「リプレイス」)を決議したら、新しい管理会社との契約締結に続き、いよいよ現行の管理会社から新管理会社への引継ぎ作業が始まります。この引継ぎがスムーズに進むかどうかで、今後の管理体制の質が大きく左右されます。特に重要書類や共用部の鍵など、マンションの運営に欠かせない情報や物品の受け渡しは慎重に行う必要があります。この記事では、管理会社の変更に伴う引継ぎで押さえるべきポイントについて学んでいきます。

管理会社の引継ぎとは?

管理会社の引継ぎとは、現行の管理会社から新しい管理会社へ、マンションの管理業務に関する情報や資産などを受け渡す作業のことを指します。基本的には新旧の管理会社同士で行われますが、理事会役員も立ち会い、進捗を確認することが大切です。

引継ぎには通常、管理会社変更の総会決議から約3か月の準備期間が設けられます。この期間中に、以下のような項目について丁寧に引継ぎが行われます。

引継ぎ項目内容
管理組合の重要書類管理規約・議事録・図面・パンフレット等
共用部の鍵・備品マスターキー・コピー・管理室備品等
懸念事項の共有理事会での継続課題・住民の要望など

【引継ぎ1】管理組合の重要書類

管理組合で保管している書類には、「竣工図面」「理事会・総会の議事録」「管理規約」「販売パンフレット」などがあります。これらはマンション運営の基盤となる情報であり、紛失すると将来の対応に支障をきたすおそれがあります。

主な重要書類一覧

  • 管理規約・使用細則
  • 販売時のパンフレット
  • 理事会・総会の議事録
  • 竣工図面・設計図書

引継ぎの際は、一覧表を使って照合し、理事が立ち会うことをおすすめします。

【引継ぎ2】共用部の鍵などの備品

共用部の鍵の引継ぎも重要です。どの鍵がどの設備に使われているのか現地で確認しながら引継ぎを行いましょう。マスターキーとコピーキーが混在している場合もあるため、しっかりと区別して管理します。

チェックリストを作成し、理事会が関与する形での受け渡しが理想的です。

【引継ぎ3】管理組合運営の懸念事項

今後も対応が必要な懸念事項や継続中の課題についても、しっかりと新管理会社に引き継ぎましょう。たとえば、修繕計画や住民からのクレーム対応などが該当します。

また、理事会の運営スタイルや方針は管理組合によって異なるため、新しいフロント担当者が理事会に出席して把握する機会を設けるのが効果的です。

補足|管理人の継続は可能?

管理会社を変更しても、現在の管理人には引き続き勤務してもらいたいという声は少なくありません。本人の同意があれば、新しい管理会社のもとで再雇用されるケースもあります。

管理人が交代する場合には、引継ぎ期間中に新旧管理人が同時に勤務する「2名体制」を依頼すると、現場の混乱を避けられます。特にゴミ出しのルールや住民の特性などの情報は、現場の口頭での伝達がとても重要です。

まとめ

マンションの管理会社を変更する際には、新旧管理会社の間でしっかりとした引継ぎが必要です。管理規約や議事録などの重要書類の引継ぎ、共用部の鍵や備品の現物確認を伴う受け渡し、そして理事会での課題や方針などのソフト面の情報共有が円滑に行われることが理想です。これらの作業は管理会社同士に任せきりにせず、理事会が主体的にかかわることが、管理品質の向上につながります。管理会社の変更は、より良いマンション運営への第一歩。新管理会社と理事会が協力して、丁寧な引継ぎを進めましょう。

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