
マンションの大規模修繕や定期調査の際に行われる外壁調査は、これまで作業員が足場を組んだりロープで降下して行うのが一般的でした。しかし近年では、ドローンを活用した外壁調査が増えており、短時間・低コストで高所の調査を実現できる手法として注目を集めています。この記事では、分譲マンションで活用が進むドローンによる外壁調査について学んでいきます。
従来の外壁調査とドローン調査の違い
大規模修繕工事や特殊建築物の定期調査では、外壁タイルの浮きや劣化の確認が欠かせません。これまではテストハンマーによる打診調査が主流であり、足場や高所作業が必要でした。ドローンを使うことで、安全性が高まり、調査コストを削減できるというメリットがあります。
特殊建築物定期調査にも対応
延べ面積が1,000㎡を超えるような一定規模の分譲マンションは、建築基準法により「特殊建築物定期調査」の対象となり、外壁の全面打診調査が必要になります。この際、ドローンによる赤外線調査も正式な調査手法として認められています。特に、初回の定期報告(築10年目)では必須の調査となるため、計画的な対応が求められます。
打診調査と赤外線調査の比較
| 調査方法 | テストハンマーによる打診 | ドローンによる赤外線調査 |
|---|---|---|
| コスト | 高い | 安い |
| 作業期間 | 長期間 | 短期間 |
| 住人の負担 | 足場設置の騒音や圧迫感 | 少ない |
| 調査精度 | 高い(接触による判定) | やや低い(非接触) |
ドローン調査のメリット
- 調査期間の短縮:ドローンにより広範囲を短時間で調査可能
- コスト削減:足場やロープの設置費用が不要
- 高い安全性:作業員が高所に上がる必要がなく、事故リスクが低い
ドローン調査のデメリット
- 天候に左右される:雨や強風の日は調査が困難
- 騒音の懸念:プロペラ音により、近隣住民への配慮が必要
- 非接触による精度の限界:赤外線調査は接触調査よりも精度にやや劣る
まとめ
分譲マンションの外壁には、タイルやモルタルなどの仕上げ材が多く使われており、経年劣化により落下の危険が生じます。そのため、大規模修繕工事の前には、外壁調査で劣化状況を把握することが不可欠です。従来のテストハンマーによる打診調査では、作業員が届く範囲に限られ、建物全体の把握が難しいという課題がありました。ドローンを活用した赤外線調査であれば、これまで調査が難しかった高所や狭所まで把握でき、より的確な修繕計画が立てられるようになります。また、特殊建築物定期調査でもドローンによる調査が認められており、今後ますます活用の場面が広がると予想されます。コスト削減と安全性の向上を両立できるドローン調査は、分譲マンションの管理組合にとって新たな選択肢となるでしょう。