
マンションの管理会社を変更する際には、複数の候補から最適な一社を選ぶために「プレゼンテーション会」が開催されるのが一般的です。この会では、候補となる管理会社が提案内容や管理体制について発表し、理事会や希望する組合員が比較・検討をおこないます。この記事では、プレゼンテーション会を開催する際に理事が果たすべき役割や、成功のポイントについて学んでいきます。
プレゼンテーション会の準備:理事会の役割
新しい管理会社の選定に向けて、まずは複数の管理会社に提案書と見積書を提出してもらいます。理事会では、事前に用意した仕様書に沿って作成されているかを確認し、提案内容と金額を比較。最終的には3社程度に絞り込むのが適切です。
その後、理事会主導でプレゼンテーション会を開催します。候補となる3社がそれぞれ提案内容を説明し、質疑応答を通じて具体的な対応力や考え方を確認します。
タイムスケジュール例(昼休憩あり)
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 10:00~10:10 | 理事長による経緯の説明 |
| 10:10~10:40 | 管理会社Aによるプレゼンテーション |
| 10:40~11:10 | 管理会社Aとの質疑応答 |
| 11:10~11:40 | 管理会社Bによるプレゼンテーション |
| 11:40~12:10 | 管理会社Bとの質疑応答 |
| 12:10~13:00 | 昼休憩 |
| 13:00~13:30 | 管理会社Cによるプレゼンテーション |
| 13:30~14:00 | 管理会社Cとの質疑応答 |
1社あたりの時間は最大1時間程度におさえると、参加者の負担も少なく、集中して比較できます。
プレゼンテーション会を成功させる4つのポイント
1. 組合員も参加できる場にする
プレゼン会は理事だけでなく、希望する組合員にも参加してもらいましょう。管理会社の変更は居住者全体に関わる大きな決定事項です。幅広い意見を取り入れることで、合意形成がスムーズに進みます。
2. フロントマンの出席を求める
プレゼンには営業担当者だけでなく、実際に物件を担当する予定のフロントマンの出席を依頼します。管理の満足度はこの担当者の対応力に大きく左右されるため、事前に人柄や考え方を確認しておくことが重要です。
3. 現行管理会社にも参加機会を
もし現行の管理会社が希望する場合は、プレゼン会への参加を認めましょう。現状の改善点が明確になるだけでなく、結果的に現行会社を継続する場合でも、コストの見直しやサービス向上につながるケースがあります。
4. 質問内容は事前に統一する
各社に対して公平に比較できるように、質問事項は理事会で事前に協議・統一しておきましょう。抜け漏れを防ぐとともに、質疑の中でフロントマンの受け答えから信頼性や対応力を確認することができます。
まとめ
プレゼンテーション会は、単に資料の見た目やプレゼンの上手さを競う場ではありません。理事会や組合員が、自分たちのマンションに最もふさわしいパートナーを見極める場です。とくに、プレゼン資料の完成度よりも、質疑応答での受け答えや事前準備の丁寧さなど、実務的な対応力や誠実さこそが重要な判断材料になります。この会を経て、理事会は最終的に管理会社を1社に絞り込み、総会での承認に向けた準備へと進みます。理事の皆さんには、住民全体の利益を見据えた慎重な判断が求められます。