
マンションも築年数を重ねるにつれ、管理組合への関心が薄れ、総会の出席率が低下していく傾向があります。出席者が少ないと議決に支障が出るだけでなく、管理活動への無関心がさらに広がるという悪循環に陥ることも。この記事では、総会の欠席者を減らし、出席率を高めるための工夫やアイデアについて学んでいきます。
総会出席者を増やす4つの工夫
管理組合の運営を活性化させるためには、総会の出席率を上げることが欠かせません。以下の4つの工夫は、理事会を中心に比較的取り組みやすく、効果も見込める方法です。
| 方法 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 方法1 | 開催日の早期決定と通知 | 総会日程を早く決めて、事前に掲示・通知。資料が未完成でも日程だけでも告知を。毎年固定日を設定する方法も効果的。 |
| 方法2 | 理事や管理人による声掛け | 出席状況を早めに把握し、不足していれば戸別訪問も。管理人や理事の「一言」が出席を後押し。 |
| 方法3 | 開催場所をマンション内に | 開催場所が遠いと参加率が低下。エントランスホールなどの共用スペースでの開催を検討。椅子の持参やレンタルも活用。 |
| 方法4 | イベントとセットで開催 | 共用部見学会・消防訓練・非常食試食会などを併催。懇親会も有効だが、費用負担には注意。 |
方法1|開催日の早期決定と通知
日程の早期決定と事前告知は、出席率向上の第一歩。 総会資料がまだできていない段階でも、日時だけは掲示板やメール等で早めに告知しておくと、予定が立てやすくなります。
また、あらかじめ「毎年〇月第〇土曜の午前中」と固定しておけば、住民も予定を調整しやすくなります。土曜午前は日曜よりも出席率が高い傾向にあるため、日程設定にも一工夫を。
方法2|理事や管理人による声掛け
総会前に出欠確認書を提出してもらい、出席状況を把握。出席者が少なければ、理事や管理人が「ぜひご参加を」と声掛けを行いましょう。総会が成立しない恐れがある場合は、戸別訪問も検討対象です。管理組合役員の熱意や丁寧な対応が、住民の意識を変えるきっかけになります。
方法3|開催場所をマンション内に
近隣の施設を借りる場合、場所が分かりづらい・移動が面倒という理由で欠席されることがあります。エントランスホールや駐輪場跡など、身近なスペースの活用でハードルを下げましょう。
椅子は各戸で持ち寄るか、レンタル業者の配送・回収サービスを利用すれば準備も楽になります。
方法4|総会とイベントをセットで開催
「総会だけでは来づらい」と感じる住民も、イベントがあれば参加しやすくなります。 共用部見学会や消防訓練、非常食の試食会など、マンションならではのテーマで関心を集めましょう。総会後の懇親会も有効ですが、飲食代は管理費からではなく参加者負担で運営するのが基本です。
まとめ
マンション管理組合の総会は、管理に関する意思決定だけでなく、住民同士が顔を合わせる貴重な場です。出席率を上げるためには、開催日を早めに決めて周知する、理事や管理人が直接声をかける、マンション内で開催する、イベントを併催するといった工夫が効果的です。総会の出席率が低い状態が続くと、管理組合の運営が形骸化し、将来的なトラブルの火種にもなりかねません。日々の小さな積み重ねが、良好な管理運営とコミュニティ形成の鍵となるのです。