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マンション管理組合の「通常総会」で最低限必要となる議案とは?

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マンショの総会で必ず必要な議案

マンション管理組合が開催する「通常総会」では、法令や管理規約により、毎年必ず扱わなければならない議案がいくつか定められています。これらを漏れなく総会議案書に記載し、理事会でしっかりと検討・承認していくことが、健全な管理運営につながります。この記事では、通常総会で最低限必要となる議案について学んでいきます。

総会議案書とは?マンション管理の基本資料

「総会議案書」という用語は、実は区分所有法や標準管理規約には明記されていません。しかし、多くの管理組合では総会に向けて作成する文書を「総会議案書」と呼び、事前に全住民に配布することが通例となっています。

議案書の内容は、法律で必ず決議が求められる項目に加えて、その年のマンションの状況や課題に応じた追加議案を含む構成が一般的です。様式は定まっておらず、管理会社が作成した雛形をベースにする場合や、組合の慣習に合わせて独自に作られることもあります。

総会で必須とされる議案の根拠とは?

以下は、通常総会で必ず審議すべきとされている議案の根拠です。

根拠法令・規約内容主な議案例
区分所有法 第43条管理者の事務報告の義務収支決算・事業報告
標準管理規約 第41条監事の監査報告義務監査報告
標準管理規約 第48条総会決議が必要な項目の列挙予算・修繕計画・役員選任など

これらの規定をもとに、理事会は議案書を作成し、総会に上程する必要があります。法定の議案を欠いた場合、総会の決議が無効とされるおそれがあるため注意が必要です。

通常総会で最低限必要な議案とは?

以下に、通常総会で最低限必要とされる議案例を示します。

議案名内容
第○号議案 収支決算及び事業報告承認の件前年度の会計報告と活動実績の承認
第○号議案 監査報告承認の件監事による監査結果の承認
第○号議案 管理委託契約更新承認の件管理会社との契約更新の可否
第○号議案 収支予算及び事業計画承認の件新年度の予算と活動予定の承認
第○号議案 役員選任承認の件新たな理事・監事の選任

これらは、ほとんどのマンションで共通して必要な議案であり、通常総会の中心的な内容となります。

必要に応じて追加される議案

その年のマンションの課題や方針に応じて、以下のような追加議案が必要になることもあります。

議案名内容
第○号議案 修繕積立金の取崩し承認の件工事費用などのために積立金を使う際の承認
第○号議案 長期修繕計画の変更承認の件計画の見直しや工事項目の追加など
第○号議案 使用細則(ペット)制定承認の件新たな生活ルールの制定(例:ペット飼育)

こうした議案は、理事会や住民からの要望に基づき追加されるものであり、総会での十分な説明と合意形成が求められます。

通常総会と臨時総会の違いは?

通常総会は年に1回、定期的に開催されるもので、予算や決算など毎年必ず決めるべき内容が議題となります。一方で臨時総会は、大規模修繕工事や規約改正など緊急性や重要性の高い特別な案件を扱うために開催されます。

まとめ

通常総会は、マンション管理組合の運営にとって最も重要な意思決定の場です。特に「収支決算」「監査報告」「予算案」「役員選任」などの議案は、法令や管理規約により毎年必ず総会で扱うことが求められます。議案書の作成は理事会の大切な役割であり、管理会社任せにするのではなく、自分たちのマンションにとって最適な内容かをよく吟味する必要があります。総会議案書の質が、結果的にマンション全体の管理水準や住民の満足度に直結することを意識しながら、丁寧な議案作成と住民への説明を心がけましょう。


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