
マンションの清掃は、ただの「美観維持」ではありません。適切な清掃は建物の劣化を防ぎ、快適な暮らしを守る大切なメンテナンス業務です。清掃には、日々の掃き掃除から専門業者による高所作業まで種類があり、それぞれ役割と目的が異なります。この記事では、マンションで実施される「日常清掃」「定期清掃」「特別清掃」の違いや内容について学んでいきます。
マンション清掃業務の基本
マンションでは、以下のような共用部分に対して定期的な清掃が必要です。
- エントランスホール
- エレベーターホール
- 共用廊下・階段
- ゴミ置場
- 駐輪場・駐車場 など
これらの清掃は、大きく分けて以下の3種類に分類されます。
| 区分 | 実施者 | 主な対象箇所 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 日常清掃 | 管理人または清掃員 | エントランス、廊下、ゴミ置場など | 毎日の掃き掃除・簡易拭き掃除が中心 |
| 定期清掃 | 専門業者 | タイル床、長尺シート床など | 機械(ポリッシャー等)を使用した洗浄 |
| 特別清掃 | 専門業者 | 高所窓、グレーチング、換気口など | スポット的・年1~2回実施される清掃 |
その1|日常清掃
日常清掃は、管理人や清掃員が毎日または週数回、エントランスや共用廊下、ゴミ置場などを掃除する作業です。内容としては、掃き掃除、ゴミの回収、軽い拭き掃除などが中心で、マンションの規模によっては専門の清掃スタッフが常駐している場合もあります。
ポイント: 管理人が行う日常清掃は、業務委託契約に記載された範囲内で行われているか、理事会で定期的に確認することが重要です。
その2|定期清掃
定期清掃では、ポリッシャーや高圧洗浄機などを使用し、普段の清掃では落としきれない汚れを徹底的に洗浄します。例えば、エントランスのタイルや共用廊下の長尺シートなど、滑りやすくなった床面のクリーニングが代表的です。
清掃頻度は年2〜6回程度が一般的ですが、管理コストの削減を目的に回数を見直す例も見られます。
その3|特別清掃
特別清掃(スポット清掃)は、日常清掃・定期清掃では対応できない高所や特殊な場所の清掃です。たとえば、高所のガラス窓、排水溝のグレーチング、外壁の換気口まわりなど、専門知識と道具を要する箇所に対して年1~2回程度行われます。
理事会では、清掃対象箇所と頻度を確認し、必要に応じて見直すことが大切です。
まとめ
マンションの清掃業務は、美観を保つだけでなく、建物の劣化を防ぎ、修繕費の増加を抑えるためにも重要な役割を担っています。特に日常清掃は、住民が日々接する共用部分の印象を左右し、快適な住環境に直結します。また、定期清掃や特別清掃によって、通常では行き届かない部分のメンテナンスが可能になります。理事会としては、委託契約書に基づき清掃業務の範囲と質を定期的にチェックし、住民の満足度向上と建物資産の維持につなげていくことが大切です。