1. 管理組合向け
  2. マンション管理組合の修繕積立金:安全な保管と運用の最新ガイド(2025年版)

公開日:

マンション管理組合の修繕積立金:安全な保管と運用の最新ガイド(2025年版)


マンション管理組合の修繕積立金等の適切な保管方法と運用

マンションの修繕積立金は、将来の大規模修繕に備えて区分所有者から毎月徴収される、管理組合にとって非常に重要な資金です。長期にわたり積み立てることで、その金額は数千万円から数億円に達することもあり、どのように保管・運用するかが理事会にとっての大きな課題になります。この記事では、2025年時点の最新情報をもとに、修繕積立金を安全に保管・運用するための代表的な方法について学んでいきます。

修繕積立金のペイオフ対策とは?

修繕積立金の額が1,000万円を超えることが多いため、万が一金融機関が破綻した場合に備えた「ペイオフ対策」が不可欠です。ペイオフとは、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円とその利息までしか保護されない制度のことです。以下のような対策が有効とされています。

対策①:決済用預金に変更

「決済用預金」とは、無利息・要求払い・決済サービス提供の3要件を満たす預金で、預金保険制度により全額が保護されます。利息はつかないものの、金融機関の破綻時にも元本全額を守れるのが最大の特徴です。

出典:三菱UFJ銀行「預金保険制度のご案内」
https://www.bk.mufg.jp/ippan/yokinhoken/index.html

対策②:複数の金融機関に分散預金

1つの金融機関に1,000万円を超える預金は保護の対象とならないため、複数の銀行に分散して預金する方法もあります。例えば、3つの銀行にそれぞれ1,000万円ずつ定期預金を作ることで、合計3,000万円まで保護されます。ただし、手続きの煩雑さや手数料負担が増える点には注意が必要です。

「マンションすまい・る債」での安全運用

「マンションすまい・る債」は、独立行政法人 住宅金融支援機構が発行する債券で、修繕積立金の運用先として人気があります。2025年度の概要は以下の通りです。

項目内容
募集期間2025年4月21日〜2025年10月10日
利率年0.525%(認定マンションは年0.575%)※税引前
元本保証中途換金でも元本割れなし
利息年1回受取
最低購入額1口50万円

「マンションすまい・る債」は銀行預金より高金利で、一定期間の積立で利息を得ることができ、元本割れリスクがないのが特徴です。管理計画認定制度に基づく割増金利もあるため、長期保有に適しています。

出典:住宅金融支援機構「マンションすまい・る債」
https://www.jhf.go.jp/loan/kanri/smile/index.html

共用部分の管理組合向け積立保険

マンション管理組合では、共用部分の損害保険に加入しているケースが多くあります。その中でも「積立型保険」を選ぶと、一定期間保険料を積み立てたのちに満期返戻金が受け取れる仕組みです。

ただし、保険会社の破綻時には元本保証がない点に注意が必要です。保険としての保障と資産運用の両立を考える際には、信用格付けや経営状況なども含めた検討が求められます。

出典:SOMPOホールディングス「法人向け損害保険商品」等(個別保険会社による)
https://www.sompo-japan.co.jp

まとめ

今回は、マンション管理組合における修繕積立金の安全な保管と運用方法について、2025年時点の最新情報をもとに解説しました。修繕積立金は大規模修繕のために確実に準備しておくべき重要な資産であり、リスクの高い運用は避けるべきです。決済用預金や分散預金、そして「マンションすまい・る債」などの安全性の高い手段を活用することで、元本の保全とわずかな利回りを両立することが可能です。保険商品なども含めて、理事会でよく検討し、透明性の高い資産管理を目指しましょう。

PAGE TOP