
マンション管理会社の変更を検討する際、複数社から見積りを取得する「相見積り」が一般的です。ただし、見積りの条件や書式がバラバラでは、適切な比較検討ができません。そこで重要になるのが「見積条件」と「書式」の統一です。この記事では、マンション管理会社に相見積りを依頼する際の適切な方法とポイントについて学んでいきます。
見積り依頼時に押さえるべき2つのポイント
マンションの管理業務は多岐にわたり、契約書だけでは各社の提案内容を比較するのが難しい場合があります。そのため、理事会では以下の2点を意識した見積り依頼が重要です。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ポイント1 | 各管理会社に「現行条件」と「提案型」の2種類の見積りを依頼する |
| ポイント2 | 各社の見積りを共通の書式で提出してもらう |
ポイント1│「現行条件」と「提案型」見積りの依頼
各管理会社に依頼するのは、以下の2種類の見積書です。
| 見積種別 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 現行条件の見積り | 現在の管理会社の契約内容に準拠したもの | 費用と業務内容を公平に比較するため |
| 提案型の見積り | 各社が考える最適な管理仕様に基づく提案 | 管理内容の改善案を知るため |
「現行条件」の見積りでは、現在の契約書に記載されている業務範囲や頻度に従って作成してもらいます。一方、「提案型」は各社の特色を活かしたサービス改善案などを自由に提案してもらうことで、管理の質の向上につながる可能性もあります。
ポイント2│「共通書式」で比較しやすく
見積りを比較するには、書式の統一が欠かせません。マンション管理業協会が公表している「マンション管理業務共通見積書式」に準拠して見積書を作成してもらうことで、各社の内容を容易に比較できます。
「共通見積書式」には、以下のような情報が含まれています。
| 主な構成項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本情報 | 管理組合名、管理戸数など |
| 管理業務の内訳 | 清掃、点検、会計など各業務の内容 |
| 業務頻度や体制 | 回数や担当者数の明示 |
この見積書式の「基本情報欄」には理事会が事前に入力するのが望ましく、記載の統一により各社に正確な条件を伝えることができます。
まとめ
マンション管理会社に相見積りを依頼する際は、管理組合が後に比較検討しやすいように「見積条件」と「書式」を統一することが重要です。そのためには、まず現行の契約に基づいた見積りと、各社が提案する理想的な管理内容の見積りという2種類を依頼しましょう。さらに、見積書のフォーマットはマンション管理業協会が提供する「共通見積書式」を活用し、理事会側で基本情報を記入しておくことで、スムーズな見積作成と公平な比較が可能になります。可能であれば、各社の見積りを一覧表に整理し、プレゼン会に進む候補を選定するなど、理事会の準備と工夫が成功のカギとなります。