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これだけは知っておきたい!機械式駐車場の基本と安全ルール

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これだけは知っておきたい!機械式駐車場の基本と安全ルール

都市部のマンションでは、限られた敷地を有効活用するために「機械式駐車場」が多く採用されています。便利な反面、操作ミスや老朽化による事故のリスクも存在します。だからこそ、基本的な仕組みや種類、安全ルールを知っておくことがとても大切です。この記事では、機械式駐車場の種類や仕組み、寿命や事故例、安全な使い方について学んでいきます。

機械式駐車場の種類と仕組み

機械式駐車場にはいくつかの方式があり、設置場所の広さや使用頻度によって選ばれます。それぞれに特徴があり、仕組みを理解することで使いやすさも安全性もアップします。以下の表に、代表的な方式とその特徴をまとめました。

方式名特徴・仕組み
二段方式・多段方式上下に複数台を収容。最も一般的なタイプ。昇降式と昇降横行式に分類される。
昇降式パレットが上下に移動。地下に収納されるピット式もある。
昇降横行式パレットが上下左右に動き、空きスペースを使って車を出し入れ。高い効率性が特長。
垂直循環方式多数のパレットが縦方向に循環しながら車を収容。主に商業施設で多く採用されている。
エレベーター方式昇降機と搬送装置を組み合わせた立体駐車方式。大規模施設やオフィスビルに多い。

どのタイプも、基本的には「パレット」と呼ばれる台に車を乗せて機械で移動・収納する仕組みです。

寿命とメンテナンスの目安

機械式駐車場は精密機械です。安全に使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。使用環境や頻度により寿命は異なりますが、以下が主な部位の目安です(出典:国土交通省ガイドライン)。

部位取替・修繕の目安年数
駐車装置約20~25年
昇降装置約10年
安全装置約5年
排水ポンプ約10年
鉄部(パレット等)定期的な塗装・防錆処理が必要

定期的な点検と適切な更新によって、寿命を延ばし安全性を高めることが可能です。

実際の事故例と安全に使うための注意点

機械式駐車場では、過去に以下のような事故が起きています。

  • 子どもが装置内に残っていたことに気づかず作動させ、挟まれる
  • 車内に人がいる状態で別の利用者が操作し、落下事故が発生
  • 荷物の積み下ろし中に開口部から転落

こうした事故を防ぐためには、日常のちょっとした心がけが非常に重要です。

安全ルール解説
荷物の積み下ろしは装置外で落下や装置故障のリスクがあるため、広い安全な場所で行いましょう。
チェーンやゲートの使用チェーンは旧型ですが、今はゲートや侵入検知センサーが主流。設置が推奨されています。
操作前の安全確認装置内に人や物がないか、必ず目視確認を。声かけも有効です。

事故は一瞬の油断で起きるものです。確認を習慣化することが最大の予防策になります。

点検と法的義務の注意点

意外に思われるかもしれませんが、機械式駐車場にはエレベーターのような「法定点検義務」はありません。つまり、管理組合やオーナーが自ら判断して点検・修繕を行う必要があります。

  • 建築基準法の適用対象ではないため、点検義務は法的にはない
  • 安全のためには、定期的な点検が不可欠です。
  • 異音、動作不良、塗装のはがれなどは、劣化のサイン

点検契約を結び、継続的にメンテナンスを実施することが安心への第一歩です。安全への意識を高め、事故を未然に防ぐためには、専門業者による定期的な点検と適切な対応が求められます。

まとめ

機械式駐車場は、限られたスペースに多くの車を効率よく収容できる非常に便利な設備です。その一方で、構造が複雑な分、誤操作や経年劣化による事故リスクが存在します。

二段・多段方式や昇降横行式、垂直循環方式など種類ごとの仕組みを理解し、正しく使用することが大切です。また、寿命は20~25年が目安とされ、日々の点検やメンテナンスで延命が可能です。

過去の事故例からも、操作前の安全確認や人の侵入を防ぐ設備の重要性が見て取れます。法律上の点検義務はなくとも、管理組合や利用者が主体となって安全管理に取り組むことで、快適で安心なマンションライフが実現します。


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