
マンションは多くの人が共同で暮らす場所。日常のちょっとした行き違いから、大規模修繕や規約の見直しといった管理面まで、トラブルの種類も多岐にわたります。こうしたトラブルに対し、理事会だけで対応するには限界があるのも事実です。この記事では、マンションでトラブルが発生したときに相談できる専門家の種類とその役割について学んでいきます。
トラブル時に相談できる専門家とは?
| 専門家の種類 | 主な対応分野 |
|---|---|
| マンション管理士 | 管理規約・契約内容の見直し、大規模修繕の進め方など、管理全般のアドバイス |
| 弁護士 | 違反行為への法的対応、滞納金の債権回収、訴訟代理など |
| 建築士 | 建物の劣化診断、修繕設計・監理、長期修繕計画など |
| 公認会計士 | 管理組合の収益事業(駐車場貸出、基地局設置など)の会計処理支援 |
| 行政書士 | 官公署提出書類の作成、管理規約変更などの手続き支援 |
| 司法書士 | 登記関連、簡易訴訟の書類作成(ただし訴訟代理は不可) |
外部専門家の活用が増えている背景
近年、マンションの管理やトラブル対応の複雑化により、管理組合が外部の専門家と顧問契約を結ぶケースが増えています。特にマンション管理士は、幅広い知識を活かして中立的な立場から助言を行うことができ、理事会の負担を軽減する重要なパートナーとなります。
また、2021年6月の標準管理規約の改正では、外部の専門家が理事として就任できる旨が明記されました。これは、管理組合が必要と判断すれば、区分所有者でない専門家(たとえばマンション管理士)を理事として迎え入れられるというもので、理事のなり手不足の解消にもつながります。
外部理事制度とは?
2021年改正により、標準管理規約には以下の内容が盛り込まれました。
- 「理事は、区分所有者以外の者であっても適切な知識と経験を有する者であれば選任できる」
- 外部理事の選任は総会の普通決議で可決可能
- 外部理事の任期や報酬の有無などは、別途取り決め可能
このように、外部理事制度の導入によって、専門性の高いマンション運営が可能になる体制が整備されたのです。
どの専門家に相談するか迷ったら?
相談内容が法律か、建物か、会計か明確な場合は、その分野の専門家に直接依頼するのが理想です。ただし、判断がつかない場合や複数の問題が複雑に絡む場合には、まずマンション管理士に相談することをおすすめします。管理全体を見渡したうえで、適切な専門家へつなぐ橋渡し役にもなってくれます。
まとめ
マンションの管理においてトラブルは避けられないものですが、適切な専門家と連携することで、理事会の負担を大幅に軽減し、円滑な解決が可能になります。近年は、標準管理規約の改正により、外部の専門家を理事として活用することも公式に認められました。理事のなり手不足や運営の専門性不足に悩む管理組合にとっては、心強い選択肢です。専門家の活用は、「問題が起きたとき」だけでなく、「問題が起きる前」にも重要です。信頼できる専門家とつながっておくことが、将来の安心と安定につながります。