マンションで暮らしていると、年に1回ほど「消防設備点検のお知らせ」が届きます。5〜10分程度の点検ですが、「在宅してください」と書かれていると、平日勤務の方などは困ってしまうことも。この記事では、消防設備点検に住民が立ち会う義務があるのか、また立ち会わなかった場合の罰則やペナルティについて学んでいきます。
消防設備点検に立ち会わないと罰則がある？
結論から言えば、住民が点検に協力しなかったとしても、法的な罰則やペナルティが科されることは通常ありません。管理会社や点検業者が勝手に部屋に入ることもなく、住人の了承なしに入室されることはありません。
ただし、以下のようなケースでは注意が必要です。
| ケース | 内容 |
|---|---|
| 火災時の重過失 | 点検を拒否した結果、設備が正常に作動せず、被害が拡大した場合は「重過失」と判断される可能性があります。 |
| 管理規約違反 | マンションの管理規約に「点検協力義務」がある場合、それに違反すると管理組合から注意や勧告を受ける可能性があります。 |
在宅が必要な消防点検の種類と頻度
消防設備点検には「機器点検」と「総合点検」があります。このうち住戸内への立ち入りが必要なのは「総合点検」で、一般的には年1回の実施です。
| 点検の種類 | 実施頻度 | 在宅の必要性 |
|---|---|---|
| 機器点検 | 半年に1回 | 不要（共用部中心） |
| 総合点検 | 年に1回 | 必要（住戸内の確認あり） |
点検日程は変更できる？
点検日はあらかじめお知らせが掲示やポスト投函で通知されます。都合が合わない場合、予備日が用意されていることもありますが、ないケースも多いため注意が必要です。
ただし、点検の順番は調整できることが多いため、「午前中に」「夕方に」といった要望がある場合は、通知に記載されている連絡先（管理会社や点検業者）に相談してみましょう。
点検時に部屋のどこをチェックされる？
点検作業員は、住戸内の以下の設備をチェックします。
1. 自動火災報知機（感知器）
キッチン・洗面所・寝室などの天井、さらに押入れ・クローゼットの中にも感知器が設置されている場合があります。点検時は、棒の先に熱を出す装置を当てて、発報の有無を確認します。
2. ベランダの避難ハシゴ
ベランダにある避難ハシゴの動作確認が行われます。周囲に荷物が多いと点検や実際の避難の妨げになるため、避難ハッチの周囲は整理しておくようにしましょう。
まとめ
マンションの消防設備点検は、住民の安全を守るために必要不可欠な作業であり、年に1度は在宅して立ち会うことが求められます。点検を拒否したからといって法的な罰則を受けることは通常ありませんが、火災時に設備が作動しなかった場合には、責任を問われる可能性があります。また、管理規約で定められている場合には注意や勧告の対象にもなり得ます。忙しくて立ち会えない場合は、点検時間の調整や相談もできるので、まずは管理会社へ連絡してみましょう。日頃からの協力が、万一の災害時に安心をもたらす第一歩になります。