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マンションで大規模修繕工事をおこなう体制づくり「修繕委員会の立ち上げ」


修繕委員会の立ち上げ

大規模修繕工事は、マンション管理組合にとって長期間にわたる大きなプロジェクトです。その成功には、途中で理事が交代しても工事の方針や判断がぶれない体制づくりが不可欠です。この記事では、工事の継続性と合意形成を支える「修繕委員会」の立ち上げについて学んでいきます。

なぜ「修繕委員会」が必要なのか?

大規模修繕工事は、計画から完了までに2〜3年かかることもある一大事業です。一方で、マンションでは理事の任期が1年程度と短く、理事交代のたびに方針が見直され、最悪の場合は振り出しに戻ってしまうこともあります。

こうした事態を防ぐために、「大規模修繕委員会」などの専門委員会を立ち上げ、理事会のサポート役として活動してもらうことが有効です。委員の任期を工事完了までとすることで、理事の交代があっても検討内容の継続性を保つことができます。

修繕委員会の役割とは?

修繕委員会は、理事会の諮問機関として以下のような役割を担います。

項目内容
工事範囲の検討改修対象をどうするかを検討
工法の比較費用・耐久性・工期などから最適案を検討
業者選定複数業者の見積比較、提案内容の評価
情報共有理事会や住民への進捗報告、説明会の運営

※最終的な意思決定はあくまで理事会に権限があります。

小規模マンションではどうする?

マンションの規模が小さいと、委員会メンバーを集めるのが難しいこともあります。その場合は、理事の人数を一時的に増員したり、住民説明会やアンケートを活用して多くの意見を吸い上げる方法もあります。無理に委員会を設けなくても、情報開示と住民参加の姿勢を重視することが大切です。

委員の募集方法と選び方

修繕委員会の委員は、マンション掲示板や回覧板などで広く公募するのが基本です。以下のような方を中心に募集するとよいでしょう。

タイプ特徴
建築や工事に詳しい人工法や図面の理解が早く、業者の提案を的確に判断できる
管理や会計に強い人工事費用の妥当性チェックが可能
修繕に関心のある住民居住者目線での意見が反映されやすい

専門知識は必須ではありません。マンションへの関心が高く、継続的に関われる人が望ましいです。

専門委員会の「暴走」を防ぐには?

修繕委員会が積極的に活動するのは良いことですが、建築や工事に詳しい委員がいると、理事会を飛び越えて発言力が強まってしまうケースもあります

このような事態を防ぐために:

  • 修繕委員にも理事を参加させる
  • 理事会がすべての重要事項を決定する旨を明文化する
  • 委員会の議事録を理事会に報告する体制にする

などの工夫が必要です。

まとめ

大規模修繕工事は、長期にわたるプロジェクトであるため、短期間で交代する理事会だけでの対応には限界があります。知見のある住民が参加する「修繕委員会」を立ち上げることで、工事の計画・業者選定・進捗管理などを継続的に行う体制が整います。一方で、専門委員会が理事会を超えて決定権を持つことがないよう、役割と権限の明確化が不可欠です。また、委員に施工業者の関係者が含まれる場合は、利益相反に十分注意し、ルールを明確にしておくことがトラブル防止につながります。マンションという共同生活の場だからこそ、合意形成と透明性のある運営を心がけましょう。

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