
マンションの集合インターホンは、毎日24時間稼働し続ける設備です。そのため、意外と早く劣化が進み、15年ほどで交換時期を迎えるとされています。しかし、室内のインターホンだけを個別に取り替えることはできず、エントランスのオートロックなどと連動する全体の設備として一括更新が必要です。この記事では、集合インターホン設備の交換・リニューアルについて学んでいきます。
集合インターホンはなぜ15年で交換が必要?
集合住宅用のインターホンは、一般の戸建て用と比べて高機能かつ複雑なシステムです。以下のように更新目安が示されています。
| インターホン設備 | おおよその更新時期 |
|---|---|
| 一般住宅用 | 約10年 |
| 集合住宅用 | 約15年 |
※出典:(一社)インターホン工業会
※この期間はあくまで目安であり、製品保証期間とは異なります。
メーカーの補修部品保有期間も「製造終了後7年間」が一般的で、それを過ぎると部品の確保が難しく、修理対応ができなくなる場合があります。つまり、一住戸の不具合が、マンション全体の設備更新につながる可能性があるのです。
集合インターホンはなぜ個別交換できない?
集合インターホンは、以下のような機器と連動しています。
- エントランスの集合玄関機
- オートロック
- 自動ドア
- 火災報知設備 など
このようにシステム全体で成り立っているため、一住戸だけ最新型に交換することはできません。不具合が出た際にメーカーが修理できない場合、その住戸だけでなく全体のシステムリニューアルを計画せざるを得ないケースもあるのです。
主要メーカーは「アイホン」と「パナソニック」
現在、マンションで採用されている集合インターホンの大半は「アイホン」または「パナソニック」製です。リニューアル時に同じメーカーを選ぶ必要はなく、両社の見積りを比較することでコストを抑えることも可能です。
各メーカーの製品情報:
現在のインターホンには、以下のような機能が搭載された機種もあります。
- 録画・録音機能
- スマートフォン連携(外出先で来訪者確認)
- タッチパネル操作
導入製品の選定にあたっては、住民アンケートを実施し、要望を反映した機種を選ぶことが大切です。
まとめ
マンションも築15年を迎える頃になると、管理会社からインターホン設備のリニューアル提案が理事会に持ち込まれることが増えてきます。
高額な費用に驚く方も多い一方で、各住戸で故障が頻発し、修理が不可能な状況に陥ると、更新の必要性が急激に高まります。集合インターホンの交換には総会での承認が必要なうえ、システム全体の工事となるため、計画的な準備が欠かせません。
しかし、最新型の設備に更新することで住民の利便性や防犯性が大きく向上します。費用対効果をよく検討しながら、早めのリニューアル計画を進めることが、理事会の大切な役割の一つとなります。