1. 大規模修繕工事
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大規模修繕の「検討」から「実施」までの流れとは?


マンションの大規模修繕は、住み心地や建物の価値を保つために欠かせない一大イベントです。しかし、その準備から実施までは意外と長く、関係者の合意形成や専門的な判断も求められます。この記事では、大規模修繕の基本的な流れについて学んでいきます。

大規模修繕の基本ステップ

ステップ内容
Step.1理事会で検討開始・修繕委員会の結成
Step.2体制づくり(専門家の選定)
Step.3調査・診断
Step.4修繕基本計画の策定
Step.5修繕設計(改修設計)
Step.6工事費見積・施工業者選定
Step.7資金計画の確定
Step.8総会での決議
Step.9工事の実施

各ステップのポイント解説

Step.1:理事会での検討開始・修繕委員会の結成

大規模修繕は計画から始まる!
実施予定の2~3年前から準備を始めるのが理想です。理事会だけでの対応が難しい場合は、住民から協力メンバーを募って「修繕委員会」を立ち上げましょう。委員会は後々の意思決定や住民説明の軸となる存在です。

Step.2:専門家との体制づくり

信頼できるパートナー選びが成否を分ける
建物の知識や工事に関する専門的な視点が必要となるため、コンサルタントや設計事務所などの外部専門家を選定します。悪質業者の問題も報告されているので、慎重な選定が重要です。

Step.3:調査・診断

建物の“健康診断”をしよう
外壁や屋上の劣化、給排水設備の状況などを詳細に調査します。その結果をもとに、どの部分にどのような修繕が必要かを判断します。あわせて、住民の要望や不満もヒアリングしておくと、後のトラブル防止になります。

Step.4:修繕基本計画の策定

修繕の全体像を描くフェーズ
修繕時期や工事内容、資金計画などの“骨格”を固めます。修繕委員会とパートナーで協議しながら、現実的かつ納得感のある計画に仕上げていきます。

Step.5:修繕設計(改修設計)

工事内容を“図面”に落とし込む
どんな工法で、どんな材料を使って、どこを修繕するのか——そうした具体的な内容を設計図書にまとめます。この設計が見積書や施工業者選定の基礎になります。

Step.6:施工業者の選定

見積もり比較は慎重に!
複数の施工会社から見積もりを取り、公平な基準で比較検討を行います。理事会と修繕委員会が中心となり、説明責任も意識しながら進めましょう。住民の納得を得られる方法を選ぶことが大切です。

Step.7:資金計画の確定

予算に合ったやりくりを考える
修繕積立金で賄えるのか?一時金の徴収や借入れが必要か?住宅金融支援機構などの融資制度も視野に入れて、無理のない資金計画を立てましょう。

Step.8:総会での決議

組合員の承認が必要
修繕工事の内容、施工会社、資金計画について、総会での普通決議を経て正式決定します。十分な説明と合意形成が求められる場面です。

Step.9:工事の実施

住民が生活する中での工事に配慮を
居住者が安心して暮らせるよう、安全管理とコミュニケーションが大切です。苦情や要望への対応は工事監理者が行いますが、理事会や修繕委員会も随時協力します。

まとめ

マンションの大規模修繕は、建物の長寿命化と住環境の維持に欠かせない重要な取り組みです。計画から実施までには多くの工程があり、理事会や修繕委員会、外部専門家など多くの関係者が関わります。

成功のカギは、住民の意見を丁寧に聞き取り、透明性のある手順で進めること。特に専門家や施工会社の選定では慎重さが求められ、組合員への丁寧な説明と合意形成も欠かせません。

計画的かつ住民目線を大切にした進め方を意識することで、満足度の高い修繕工事が実現できるでしょう。

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