1. 機械式駐車場の解体・平面化 完全ガイド
  2. 基礎編
  3. 「立体駐車場」と「機械式駐車場」の違いと、平面化という選択肢

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「立体駐車場」と「機械式駐車場」の違いと、平面化という選択肢


マンションの理事や修繕委員に就任し、駐車場の維持管理について話し合う際、まず押さえておきたいのが「駐車場の種類」です。
ニュースなどで「立体駐車場での事故」と報道されることがありますが、「立体駐車場」という言葉には構造も安全性もまったく異なる2つの種類が含まれています。
この記事では、「立体駐車場」と「機械式駐車場」の違いを整理し、近年多くのマンションで注目されている「平面化」という選択肢について解説します。

「立体駐車場」=「機械式」とは限らない

一般的に「立体駐車場」と呼ばれるものには、大きく分けて「自走式」と「機械式」の2種類があります。

1. 自走式立体駐車場

ドライバー自身がスロープを運転して、上階や地下の駐車スペースに車を停めるタイプです。
大型のショッピングモールなどでよく見かける形式です。
機械を動かす必要がないため、後述する機械式駐車場と比べて日々のメンテナンス費用は安く済みますが、広大な敷地が必要となるため、大規模なマンション以外ではあまり見かけません。

2. 機械式立体駐車場(機械式駐車場)

車を載せるパレット(鉄板)をモーターやチェーンなどの機械の力で上下左右に動かし、限られたスペースに複数の車を格納するタイプです。
都市部の中規模マンションなどで最も広く普及しています。
敷地を有効活用できるのが最大のメリットですが、精密な機械設備であるため、定期的な保守点検や部品交換が欠かせず、維持費が高額になりやすいという特徴があります。

本サイトで課題の解決策をご紹介していくのは、後者の「機械式駐車場」になります。

機械式駐車場の3つのタイプ

さらに機械式駐車場は、設置されている環境や構造によって、大きく3つのタイプに分けられます。
ご自身のマンションの駐車場がどれに該当するか確認してみましょう。

  1. 地上式(ピットなし):
    地面の上に鉄骨の架台を建てて車を格納するタイプです。地下空間(ピット)が存在しません。
  2. 地下ピット式:
    地面の下に掘られたピット(空間)に車を格納するタイプです。単純昇降式や昇降横行式(パズル式)などがあり、マンションで最も一般的なタイプです。
  3. タワー式・地下循環式:
    高い塔の中や地下の深い空間に、エレベーターのような装置で車を運ぶ大型のタイプです。

タイプによって平面化のアプローチも変わります。
(※詳しくは地上式?地下ピット式?駐車場タイプ別の平面化アプローチをご参照ください。)

機械式駐車場が抱える現代の「3つの課題」

導入当初は便利だった機械式駐車場ですが、設置から15年、20年と経過する中で、多くのマンション管理組合が以下のような共通の悩みに直面しています。

1. 車の大型化による「サイズ制限」のミスマッチ

古い機械式駐車場の多くは、昔主流だった「5ナンバーサイズのセダン」を基準に設計されています。
そのため、現在人気のSUVやミニバンなどの背の高い車(ハイルーフ車)や、重量のある電気自動車(EV)は、サイズ制限や重量制限に引っかかって入庫できないケースが急増しています。
これが「駐車場が空いているのに契約されない」という空き区画問題の最大の原因です。
(※空き区画問題の背景については、機械式駐車場の空きが埋まらない本当の理由|値下げが効かない背景と平面化をご参照ください。)

2. 重い維持費と将来のリニューアル費用

機械式駐車場は、車が停まっていなくても毎月の保守点検費がかかり続けます。
さらに、設置から20〜25年が経過すると、数千万円規模の費用をかけて装置全体を入れ替える(リニューアルする)時期がやってきます。
空き区画が増えて使用料収入が減っているにもかかわらず、高額な維持費だけがのしかかり、管理組合の財政(修繕積立金)を圧迫する悪循環に陥っているマンションは少なくありません。
(※維持費の目安については、機械式駐車場の維持費はいくら?修繕積立金への影響と見直しのサインで詳しく解説しています。)

3. 老朽化による危険性と災害リスク

機械の劣化が進むと、故障が増えたり、安全性が低下したりします。
また、地下ピット式の駐車場では、近年のゲリラ豪雨や台風によって地下に水が流れ込み、車が水没してしまう浸水リスクも大きな問題となっています。

根本的な解決策となる「平面化」という選択肢

こうした機械式駐車場の課題に対する抜本的な解決策として、いま全国のマンションで進んでいるのが「解体・平面化」です。

平面化とは、古くなった機械式駐車場を解体・撤去し、何もない平置きの駐車場(平面駐車場)に転換する工事のことです。
平面化には、以下のような大きなメリットがあります。

  • 維持費の大幅な削減:
    年間数十万〜数百万円かかっていた保守点検費がなくなり、将来の装置入れ替え費用(数千万円)のための積立も不要になります。
  • サイズ制限の解消と利便性アップ:
    機械式特有の車高制限がなくなるため、これまで諦めていたSUVやハイルーフ車も停められるようになります。
    また、機械を操作する待ち時間がゼロになり、日々の車の出し入れが圧倒的に楽になります。

平面化には、地下ピットをどう処理するかによって「鋼製平面化工法」「埋め戻し工法」「EPS工法」、そして暫定的な「固定化工法」など、いくつかの工法があります。
ご自身のマンションの条件(屋内か屋外か、地下ピットの有無、予算など)に合わせて最適な工法を選ぶことが、失敗しない平面化の第一歩です。
(※4つの工法の違いを一覧で比較したい方は、地下ピット式の平面化「4つの工法」比較表と選び方の基本もあわせてご覧ください。)


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空き区画が増えているのであれば、初期費用だけで判断せず、平面化を含めた「30年間のトータルコスト」で比較することが重要です。

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