機械式駐車場の解体・平面化を検討し始めたとき、最初に行うべきことは「自分たちの駐車場がどのタイプなのか」を正確に把握することです。
なぜなら、駐車場の構造によって、選べる「平面化の工法」や工事の難易度、そして費用がまったく異なるからです。
この記事では、機械式駐車場の代表的なタイプと、それぞれの平面化へのアプローチの違いを解説します。
大きく分けると「ピットがあるか・ないか」
機械式駐車場の構造は、地面の下に空間(ピット)があるかどうかで2つに大別されます。
1. 地上式(ピットなし)
地面の上に鉄骨の架台を組み上げ、その上に車を乗せるパレットが配置されているタイプです。
2段式や多段式などがあります。
地面を掘り下げた「地下空間」が存在しません。
マンションの屋外やピロティ部分に設置されているケースが一般的です。
平面化のアプローチ:
地下空間がないため、平面化の工事は比較的シンプルです。
既存の鉄骨架台と機械装置を解体・撤去し、地面をアスファルトやコンクリートできれいに舗装し直すだけで平置き駐車場が完成します。
後述する「地下ピット式」のような複雑な工法選び(埋め戻しか、鋼製床か等)で悩む必要はありません。
ただし、地上に大きな鉄骨架台が組み上がっている分、解体時の倒壊リスクや高所作業の安全管理など、地上式特有の注意点があります。
2. 地下ピット式
地面の下に深くコンクリートの空間(ピット)が掘られており、そこに車を沈み込ませて収納するタイプです。
日本のマンションで最も多く普及している「昇降横行式(パズル式)」や「単純昇降式(地下2段・地上1段など)」の多くがこれに該当します。
平面化のアプローチ:
機械装置を撤去した後に、巨大な「地下の穴(ピット)」が残ります。
平面化するためには、この残った穴を何らかの方法で処理し、車が乗れる平らな床を作らなければなりません。
そのため、どのような工法を使って床を作るか(工法選び)が、計画の最大の鍵となります。
地下ピット式の「4つの工法」とは
本サイトで特に詳しく解説していくのは、判断が難しい「地下ピット式」の平面化です。
残された地下の穴を処理して平面駐車場にするには、現在主に以下の4つの工法が用いられています。
- 鋼製平面化工法:
ピットの空間を残したまま、鉄骨と鋼鉄の床板でフタをする方法。 - 埋め戻し工法:
ピットの中に大量の砕石(土砂)を入れて埋めてしまい、上をアスファルト等で舗装する方法。 - EPS工法:
発泡スチロールの巨大なブロックをピットに敷き詰めて空間を埋め、上を舗装する方法。 - 平面化ロック(固定化)工法:
すぐには撤去せず、装置を固定して地上段だけを使えるようにする暫定的な方法。
これらは「どれが一番優れている」というものではなく、マンションが屋外にあるか屋内にあるか、予算はいくらか、将来また機械式に戻す可能性があるか、といった条件によって「正解」が変わります。
(※各工法の詳しい違いについては、地下ピット式の平面化「4つの工法」比較表と選び方の基本で比較しています。)
(※判断に迷った場合は、平面化工法の判断フローチャート|屋外・屋内・予算・再設置から選ぶ最適解もご活用ください。)
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あなたのマンションの駐車場は、地上式でしたか?地下ピット式でしたか?
地下ピット式の場合、どの工法を選ぶかで費用も耐久性も大きく変わります。
「とりあえず一番安そうな埋め戻しで」と安易に決めると、後で建物の構造に影響が出るなどのトラブルになりかねません。
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