「機械式駐車場を撤去して平面化すれば、もう機械のメンテナンス費は一切かからないですよね?」
これは、平面化を検討中の理事会からよく聞かれる質問です。
確かに、毎月の高額な装置の保守点検費はなくなります。
しかし、「一切の点検が不要になる」というのは大きな勘違いです。
鋼製平面化工法や建物の負担を減らす「EPS工法」。メリットと水害リスクの注意点の工法を選んだ場合、地下ピットには依然として「排水ポンプ」が残っており、これの維持管理が必須となります。
この記事では、平面化後も排水ポンプの点検が必要な理由と、水害リスクについて解説します。
なぜ平面化後も排水ポンプが必要なのか?
鋼製平面化工法は、地下ピットの空間を残したまま上に鉄骨でフタをする工法です。
そのため、雨水や地下の湧水は、引き続きピットの中に流れ込みます。
このたまった水を外へ排出するのが排水ポンプの役割です。
地下ピット式の機械式駐車場にとって、排水ポンプは浸水を防ぐ最も重要な設備です。
「機械式装置がなくなったのだから、少しくらい水が溜まっても問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、それは危険です。
水が溜まり続けると、新しく設置した鉄骨の架台が湿気にさらされて急速にサビてしまいます。
また、溜まった水が腐敗して悪臭を放ち、蚊などの害虫の発生源となってマンションの衛生環境を悪化させます。
点検を怠るとどうなるか
排水ポンプの耐用年数は一般的に7〜10年程度です。
故障するとピット内が水没し、車両や駐車装置に深刻な被害をもたらします。
泥やゴミが詰まってポンプが作動しなくなると、大雨の日に地下ピットが完全に冠水してしまうリスクがあります。
鋼製平面化後は、床面に設置した点検口から作業員が内部に入り、排水ポンプの点検を行います。
平面化工事が完了したからといって安心して点検をやめてしまうのではなく、「排水ポンプ単独の定期点検」を行うための費用を、新しい管理委託契約や予算に必ず組み込んでおくことが重要です。
落ち葉の侵入リスクは減る
ただし、悪いことばかりではありません。
機械式駐車場の時代は、パレットの隙間から大量の落ち葉やゴミがピットに落ち、それがポンプに詰まる原因になっていました。
鋼製平面化後は機械式駐車場と比べて床面の隙間が最小限になるため、落ち葉やゴミが地下ピット内に入り込むリスクは大幅に減少します。
結果として、ポンプが詰まるトラブルは以前より起こりにくくなるというメリットもあります。
(※なお、ピットを完全に土砂で埋めてしまう屋外ピットに最適な「埋め戻し工法」の仕組みと注意すべきリスクを選んだ場合は、地下の排水ポンプ自体が不要になりますが、地表面での新たな排水計画が必要になります。)
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