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【2026年】公取委が修繕談合で排除措置命令|事件の概要と教訓


2026年6月、公正取引委員会が、関東地方のマンション大規模修繕工事をめぐる談合について、施工会社と設計コンサルあわせて計約40社の独占禁止法違反を認定する方針を固めたと報じられました。報道された時点では、まだ正式な命令の発出前の「方針」段階です。本稿は社名を伏せ、事件の構造と組合が学ぶべき点を整理します。

この件は、不当な取引制限、いわゆる入札談合にあたるとされています。注目すべきは、本来は中立であるはずの設計コンサルが受注調整に関わったとされる点です。発注方式そのものの使い方が問われる事案といえます。

報道された事件の概要

報道をもとに、確認できる範囲の事実を整理します。いずれも報道ベースのため、数値には「約」を付けて理解する必要があります。

  • 関東地方のマンション大規模修繕工事をめぐる談合とされる
  • 施工会社と設計コンサルあわせて計約40社の独占禁止法違反を認定する方針
  • 課徴金は計約16億円の納付を命じる方針と報じられた
  • 対象期間は遅くとも2021年(令和3年)秋ごろ以降とされる
  • 課徴金減免制度を自主申告で適用した社もあるとされる

排除措置命令の対象社数は、報道では38社とされる一方、報道により30社超や三十数社と幅があります。社数を確定的に言い切ることはできません。報道時点では公取委の方針段階であり、命令を出す方針を固めた、近く命令が出る見込み、という段階だった点に注意が必要です。

何が問題とされたのか

本件の構造的な特徴は、設計監理方式の悪用とされる点にあります。

設計監理方式とは、設計コンサルが調査・仕様作成・施工会社の選定補助・工事監理を担い、施工は別の会社が行う進め方です。コンサルが中立の立場で組合を支えることが前提の方式です。

報道によれば、組合が委託した大規模修繕工事の見積もり合わせや入札で、受注する業者や工事価格が事前に調整されていたとされます。さらに設計コンサルが受注調整に関与し、受注した業者から受注額の数パーセント程度、報道では5%前後をバックマージンとして得ていたとされます。中立であるべき立場が業者側と利益でつながったとされる点が、本件の核心です。

なぜ組合は気づきにくかったのか

組合の側から見ると、相見積りや入札という正規の形が踏まれていました。複数社が参加し、書類もそろっていれば、競争が働いているように見えます。

しかし、業者を集め見積りを取りまとめる役割を一つの関係者が握っていれば、顔ぶれも金額も事前に整えられます。情報の非対称性も背景にあります。理事は工事の専門家ではなく、適正な価格や工事範囲を独力で判断しにくい立場です。専門家の説明に頼らざるを得ない構図が、調整を見えにくくしていました。

組合が学ぶべき教訓

この事件は、特定の方式や立場を一律に否定する話ではありません。設計監理方式は、適正に運用すれば有効な進め方です。鍵は中立性の確保にあります。組合が取れる対応を整理します。

  • コンサルと施工会社の間に利害関係がないかを確認する
  • 業者集めや見積り取りまとめを一者に丸投げしない
  • 組合側でも独自に業者を加え、顔ぶれを広げる
  • 同じ条件で複数社から見積りを取り、内訳を細かく比べる
  • 入札・見積りの経過を記録し、可能なら第三者が立ち会う

設計コンサルを入れること自体が問題なのではありません。中立性を担保する仕組みがあるかどうかが分かれ目です。

「コンサルを入れると必ず談合になる」という理解は誤りです。中立性を確かめる手立てを備えれば、設計監理方式は組合の力になります。否定ではなく、確認の視点を持つことが大切です。

国土交通省の動向

国土交通省も、マンション大規模修繕工事の発注について注意喚起を行っています。設計コンサルが施工会社からマージンを受け取り、高額・過剰な工事へ誘導しうる事例を挙げ、発注の透明化や相見積りでの適正な検討を促しています。具体的な発出年月や資料名は、ここでは断定しません。行政の側でも問題が認識されている、という点を押さえておけば十分です。

まとめ

2026年6月、公取委は関東のマンション大規模修繕をめぐる談合で、計約40社の違反を認定し命令を出す方針を固めたと報じられました。報道時点は方針段階で、社数や課徴金の範囲には幅があります。本件は設計監理方式の悪用とされ、中立であるべきコンサルが受注調整に関わったとされる点が核心です。教訓は、方式を否定することではなく、中立性を確かめる仕組みを組合が持つことにあります。


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