機械式駐車場の解体・平面化工事が始まると、対象の区画はもちろん、安全確保のために隣接する区画の車も一時的に移動させなければならない期間が発生します。
工期は規模や工法によって異なりますが、数週間から数ヶ月に及ぶこともあります。
このとき絶対に忘れてはいけないのが、「代替駐車場の確保」と「その費用の予算化」です。
見積書には載らない「隠れたコスト」
平面化工事を進める際、工事業者から提出される見積書には「解体費」「舗装費」「部材費」などは記載されていますが、住民が一時的に車を停める「代替駐車場の手配費用」は含まれていないのが普通です。
代替駐車場の費用は工事費とは別枠で管理組合が負担するケースが一般的であるため、総会で予算を組む際に、この費用も忘れずに確保しておく必要があります。
目安としては、近隣のコインパーキング相場が1日2,000〜3,000円程度の地域で、対象台数10台・工期2ヶ月であれば、概算で120万〜180万円規模の追加負担になります。
都心部や繁華街に近い立地ほど単価が上がるため、見積書を受け取った段階で「自分のマンションの近隣相場」を必ず確認しておきましょう。
最も一般的な「領収書精算方式」
敷地内の空きスペースに余裕がない場合、最も一般的なのは、利用者に各自で近隣のコインパーキング等を利用してもらい、後日管理組合に実費を精算する方式です。
この方式を採用する場合は、トラブルを防ぐために以下のルールを理事会で明確に決めておきましょう。
- 精算の上限額(1日あたり最大〇〇円まで、など)
- 対象期間(工事期間中のみ)
- 必要な証憑(コインパーキングの領収書原本など)
- 提出先と精算のタイミング
特に上限額の設定は重要です。
「実費全額負担」としてしまうと、わざわざ高額な月極駐車場を契約する利用者が出てきたり、近隣相場とかけ離れた請求が上がってきたりして、組合財政を圧迫することがあります。
近隣のコインパーキング相場をリサーチした上で、「1日上限〇〇円・月額上限〇〇円」と上下双方の枠を設けるのが現実的です。
住民への案内は「1ヶ月以上前」に
工事が決定したら、代替駐車場が必要になる利用者への案内は、遅くとも工事開始の1ヶ月以上前には全戸配布で行ってください。
「どこに停めればよいかわからない」「精算のルールがわからない」といった情報不足は、住民の強い不満を招きます。
案内文には、最低限以下の項目を盛り込みましょう。
- 工事の対象区画と移動が必要な日程
- 近隣のコインパーキング・月極駐車場の候補リスト(地図付き)
- 精算ルール(上限額・対象期間・必要書類・申請先)
- 問い合わせ窓口(理事長・管理会社など)
近隣駐車場のリサーチを管理組合側で先に行って提示しておくと、住民の手間が大幅に減り、不満も出にくくなります。
【無料ダウンロード】理事会・総会の説明資料にも使えます
工事期間(代替駐車場が必要な日数)は、選ぶ工法によって大きく変わります。
たとえば、鋼製平面化工法はコンクリートの養生が不要なため工期が短く、代替駐車場の費用を抑えやすいというメリットがあります。
(※各工法の工期の違いについては、地下ピット式の平面化「4つの工法」比較表と選び方の基本もご参照ください。)
当窓口では、4つの平面化工法の工期の違いや費用の目安を一覧で比較できるガイドブックを無料でプレゼントしています。
総会で予算を組む際の検討資料として、ぜひご活用ください。
冊子『平面化工法の選び方』を無料でダウンロードする
