機械式駐車場の解体・平面化は、マンションの共用部分の形状を大きく変える工事であるため、総会において「特別決議」を可決させる必要があります。
しかし、この特別決議のハードルが高すぎることが、多くの管理組合を悩ませてきました。
過去に総会で平面化議案が否決されてしまったマンションでも、2026年4月1日に施行された改正区分所有法により、再挑戦の大きなチャンスが生まれています。
なぜこれまでの特別決議は難しかったのか
改正前の法律では、特別決議を可決するために「区分所有者総数および議決権総数の各4分の3以上の賛成」が必要でした。
このルールの厄介なところは、「総会を欠席し、委任状も出さない無関心な人」が、実質的に「反対票」としてカウントされてしまう点です。
不在地主や高齢化などで総会への参加率が低いマンションでは、どれだけ理事会が素晴らしい計画を立てても、可決に必要な票数に届かないという事態が起きていました。
たとえば組合員100名のマンションでは、賛成票が75票必要になります。
仮に総会に出席(書面・委任状を含む)した80名のうち70名が賛成、10名が反対だったとしても、欠席した20名は「賛成意思の表示なし」として実質的に反対側にカウントされ、賛成は70票にとどまり、議案は否決となります。
「議論に参加した人の大多数が賛成」だったとしても、無関心層の存在によって計画が頓挫してしまう、これが旧法の構造的な問題でした。
改正法による要件の緩和
2026年4月に施行された改正区分所有法では、共用部分の変更決議の要件が見直されました。
新しいルールでは、「組合員総数および議決権の各過半数の出席」を定足数として満たした上で、「出席組合員およびその議決権の各4分の3以上の賛成」で可決できるようになりました。
つまり、総会に全く関与しない「無関心層」が母数から除外されるため、駐車場問題に前向きに関心を持っている住民の意思がストレートに反映されやすくなったのです。
先ほどの100名のマンションの例で言えば、出席者が60名いれば、その4分の3にあたる45票で可決できます。
過去に「あと数票足りずに否決された」というマンションにとって、この改正は再挑戦の現実的な追い風になります。
管理組合がやるべきこと
この法改正の恩恵を最大限に活かすためには、まず管理規約の決議要件の見直しを行う必要があります。
標準管理規約に準拠したまま運用しているマンションでは、改正法に合わせた条文の差し替えが必要になるケースがありますので、規約の改正自体を一つの議案として準備しましょう。
その上で、定足数(過半数の出席)をしっかり確保することがこれまで以上に重要になります。
具体的には、総会前の早い段階での議案配布、書面議決書・委任状の回収徹底、説明会と総会のスケジュール設計など、「出席率を上げる仕掛け」を意識的に組み込むことが成功のカギです。
(※理事会検討から総会決議までの全体ステップは、平面化を理事会で検討する進め方。合意形成から総会決議までのステップで解説しています。)
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