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鋼製平面化の素材選び|ZAM・ZEXEED・溶融亜鉛めっきの違いと耐用年数


機械式駐車場を撤去し、鋼製平面化工法での工事を業者に見積もり依頼すると、「当社の床板は高耐食めっき鋼板を使用しているため、50年以上の耐久性があります。
メンテナンスフリーです!」といった魅力的な営業トークを受けることがあります。

しかし、「高耐食めっき」という名前だけで安心してはいけません。
同じ鋼製平面化でも、使われている「素材(めっき)」の種類とスペックによって、数年後にすぐサビだらけになるか、数十年長持ちするかの大きな差が出ます。

この記事では、鋼製平面化工法で使われる主なめっきの違いと、業者の提案を見極めるためのチェックポイントを解説します。
(※鋼製平面化の基本的な仕組みについては、屋内・屋外どちらも対応。「鋼製平面化工法」の仕組みとメリットをご覧ください。)

「溶融亜鉛めっき」と「プレめっき(高耐食)」の違い

鋼製平面化の部材をサビから守る「めっき」の製法には、大きく分けて2つの種類があります。

1. 溶融亜鉛めっき(どぶ漬けめっき)

柱や梁の形に加工した後の鉄材を、高温でドロドロに溶かした亜鉛のプールに浸してコーティングする昔ながらの製法です。
めっきが分厚く付きやすく(片面350〜550g/㎡程度まで可能)、切断面や溶接部も含めて均一に保護できるのが特長で、屋外構造物に広く使われる信頼性の高い手法です。

2. プレめっき(高耐食めっき鋼板など)

鉄板の段階で先にめっき処理を行い、その後に切断や曲げ加工を行う製法です。
亜鉛にアルミニウムやマグネシウムなどを配合し、従来の亜鉛めっきの数倍〜10倍以上の耐食性能を持たせた最新の合金素材が使われます。

「ZAM(ザム)」「ZEXEED(ゼクシード)」「エコガルNeo」といった有名メーカーのブランド鋼板の多くがこれに該当し、鋼製平面化の床板(板厚2.3mmや3.2mmの縞鋼板など)として主流になっています。
ただし、これらのブランド鋼板はラインナップ上で付着量に複数のグレードが存在し、どのグレードを採用するかで耐用年数は大きく変わります。

耐用年数を決めるのは「成分」×「付着量(膜厚)」

「従来品より5倍サビに強いZAMだから、寿命も5倍長持ちするはずだ」と考えるのは早計です。
めっきの防錆性能は、成分の強さだけでなく「付着量(どれだけ厚くめっき成分が塗られているか)」とのバランスで決まります。

重要なのは、ZAMやZEXEEDといった高耐食めっき鋼板は、製造工程の制約から後めっき(どぶ漬け)と比べて付着量を厚くしにくいという事実です。
たとえばZEXEED縞板の場合、連続生産方式の都合で付着量は片面150g/㎡前後が上限となり、550g/㎡まで付けられる溶融亜鉛めっきには物理的に届きません。
業界では「ZEXEEDは耐食性こそGIの約10倍だが、めっき厚が薄い分、実質寿命はGIの3倍程度に収まる」とも言われています。

そのため、車のタイヤが擦れて深い傷がついた場合などは、付着量が厚い溶融亜鉛めっきのほうがサビの進行を遅らせるのに有利なケースもあるのです。
「高耐食めっきだから無条件で溶融亜鉛めっきより優れている」と単純比較することはできません。

(※メンテナンスフリーの罠については、「50年もつ」「メンテナンスフリー」の罠。鋼製平面化の本当の耐久性で詳しく解説しています。)

同じブランドでも「付着量」次第で耐用年数は大きく変わる

JIS規格や各メーカーのカタログに基づく代表的な付着量ごとに、計算上の耐用年数を比較してみましょう(板厚2.3〜3.2mmの縞鋼板を想定)。

素材(耐食倍率)付着量(片面)計算上の耐用年数
GI(溶融亜鉛めっき)350g/㎡約39年
ZAM(5倍)190g/㎡約53年
ZAM(5倍)90g/㎡約25年
ZEXEED(10倍)200g/㎡約111年
ZEXEED(10倍)150g/㎡約83年

※上記の付着量は仮の数値です。実際の見積もりや採用検討の際は、各メーカーのカタログや業者から提示された製品仕様で正確な数値をご確認ください。

表から読み取れるのは、同じ「ZAM」「ZEXEED」というブランド名でも、選ぶ付着量によって耐用年数が2倍前後変わるという事実です。
たとえば標準的によく使われる付着量90g/㎡前後のZAMの計算上の耐用年数は約25年で、これは厚いGI(350g/㎡で約39年)よりも短くなります。
「ZAMを使っているから安心」「ZEXEEDなら長持ち」とブランド名だけで判断せず、「付着量は何g/㎡か」まで確認することが、後悔しない素材選びのポイントです。

※耐用年数はJGAの腐食速度計算式に基づく理論値であり、海沿い(塩害地域)や、常に湿気にさらされる地下ピットなどの過酷な環境では、大幅に短くなります。

見積もりで業者の質を見抜くポイント

悪質な業者やコストダウンを優先する業者は、カタログには「高耐食めっき鋼板(ZAM等)を使用」と書きながら、実は付着量が少ない安価なグレードの鋼板を使用していることがあります。

管理組合が見積書を比較する際は、単に「ZAMを使っているか」というブランド名だけでなく、「そのめっきの付着量は何g/㎡か」まで明記させるか、業者に質問して確認してください。

この質問に即座に答えられない、あるいはごまかそうとする業者は、品質へのこだわりが低いと判断してよいでしょう。
(※柱・梁の太さや接合方法など、内部構造の確認ポイントについては、鋼製平面化で確認すべき内部構造3点|耐荷重3t仕様とボルト接合を推奨する理由もあわせてご覧ください。)


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「うちの鋼製平面化はメンテナンスフリーで50年もつ」──その言葉を鵜呑みにしてはいけません。
同じ「鋼製平面化」でも、使われる素材(ZAM、ZEXEEDなど)の付着量や内部構造によって品質には天と地ほどの差があります。

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