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  3. 屋内・屋外どちらも対応。「鋼製平面化工法」の仕組みとメリット

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屋内・屋外どちらも対応。「鋼製平面化工法」の仕組みとメリット


地下ピット式の機械式駐車場を平面化するにあたり、近年、全国のマンションで最も多く採用されているのが「鋼製平面化工法」です。
(※大手管理会社の調査では、平面化を実施したマンションの半数近くがこの工法を選んでいます。)
なぜこれほどまでに選ばれているのでしょうか。
この記事では、鋼製平面化工法の仕組みと、多くの管理組合から支持される理由(メリット)、そして検討時の注意点について解説します。

鋼製平面化工法の仕組み

鋼製平面化工法は、古い機械式駐車場の装置をすべて解体・撤去したのち、残った地下のピット(空間)を土砂で埋めることはせず、空間を残したまま平面駐車場を作る方法です。
具体的には、ピットの底から頑丈な鉄骨の「柱」と「梁(はり)」を組み上げ、その上に、車が乗るための鋼製(鉄製)の「床板(縞鋼板)」を敷き詰めてフタをします。
見た目は鉄の床になりますが、強度計算がしっかりと行われているため、一般的な乗用車であれば安全に駐車や走行が可能です。

鋼製平面化工法が選ばれる3つのメリット

メリット1:屋内・屋外どちらの駐車場でも施工できる

屋外ピットに最適な「埋め戻し工法」の仕組みと注意すべきリスクで解説した埋め戻し工法は、土砂の重みが建物の基礎に悪影響を与えるため、マンションの1階部分やピロティ下などの「屋内ピット」では原則採用できません。
しかし鋼製平面化工法は、土砂の代わりに鉄骨を組むだけなので非常に軽く、建物の構造体に余計な負担(荷重)をかけません。
そのため、屋外ピットはもちろん、制約の多い屋内ピットでも問題なく施工できるという圧倒的な強みがあります。

メリット2:将来、再び機械式駐車場に戻すことができる(可逆性)

これが、総会で住民の賛同を得やすい最大の理由です。
埋め戻し工法の場合、将来「やっぱり機械式駐車場が必要になった」と思っても、大量の土砂とアスファルトを掘り起こす必要があり、莫大なコストがかかるため事実上不可能です。
一方、鋼製平面化工法は、鉄骨のフタを取り外すだけで元の地下ピット空間が現れます。
「将来、車の保有者が増えたら元に戻すことも可能ですよ」と説明できることは、総会で「二度と元に戻せないのは不安だ」と反対する住民を説得する上で、非常に有効な材料になります。
(※総会に向けた合意形成の進め方は、平面化を理事会で検討する進め方。合意形成から総会決議までのステップで詳しく解説しています。)

メリット3:工期が短く、住民の負担が少ない

工場で事前にサイズを合わせて作られた鉄骨や床板を、現場で組み立てていく「プラモデル」のような工法であるため、工期が比較的短く済みます。
コンクリートを流し込んで固まるのを待つ(養生する)といった時間も不要なため、工事期間中の「代替駐車場(コインパーキング等)」を借りる日数と費用を抑えることができます。
(※代替駐車場の考え方については、忘れがち!工事中の「代替駐車場」手配と費用予算化の重要性をご覧ください。)

鋼製平面化工法のデメリットと注意点

メリットが多い鋼製平面化工法ですが、導入にあたっては以下の点に注意が必要です。

1. 定期的な「サビ対策(塗装)」が必要

床板や柱が鉄製である以上、長期間使用すれば必ずサビが発生します。
車のタイヤが擦れる床面は特に塗膜が剥がれやすいため、10〜15年ごとに再塗装などのメンテナンス費用を見込んでおく必要があります。
(※「メンテナンスフリーです」という営業トークの裏側については、「50年もつ」「メンテナンスフリー」の罠。鋼製平面化の本当の耐久性で解説しています。)

2. 業者によって「品質」の差が激しい

「鋼製平面化工法」という名前は同じでも、業者によって使っている鉄板の素材(サビに強いめっきの種類)や、見えない内部の柱の太さ、接合方法(ボルトか溶接か)がまったく異なります。
安いからといって適当な業者を選ぶと、数年で床が歪んだり、サビだらけになったりするトラブルに見舞われます。
(※素材の違いについては鋼製平面化の素材選び|ZAM・ZEXEED・溶融亜鉛めっきの違いと耐用年数もご参照ください。)

3. 地下ピットの「排水ポンプ」の維持が必要

ピット空間が残るため、雨水や湧水を排出する排水ポンプは引き続き稼働させる必要があります。
ポンプの電気代や定期点検、故障時の交換費用がかかることは覚えておきましょう。
(※排水ポンプの点検と水害対策の詳細は、平面化後も必要?地下ピットの「排水ポンプ」の点検と水害対策もご覧ください。)


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しかし、車が走りタイヤが擦れる以上、メンテナンスが一切不要な鉄の床など存在しません。

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