ある日、管理会社を通じてメーカーから「貴マンションの機械式駐車場の保守部品の販売を終了します」という通知が届くことがあります。
突然このような知らせを受けると、理事会では「すぐに新しい機械に入れ替えないと車が出せなくなるのでは?」と焦りが生じがちです。
しかし、この通知だけで急いで高額な入れ替え(リニューアル)を決断するのは得策ではありません。
この記事では、「部品供給終了」の意味と、管理組合が取るべき3つの選択肢について解説します。
「部品供給終了=今すぐ動かなくなる」ではない
まず知っておくべきことは、部品の生産・販売が終了したからといって、現在動いている機械式駐車場が明日から突然使えなくなるわけではない、ということです。
もちろん、故障した際に純正部品が手に入らず修理できないリスクは高まります。
しかし、メーカーからの通知には「故障リスクの告知」であると同時に、「新しい機械への入れ替えを促す営業ツール」としての側面もあることを理解しておきましょう。
一般的に、通知が届いてから完全に部品がなくなるまでには数年の猶予があります。
慌てず、まずは以下の3つの選択肢から、自分たちのマンションに合った方針を検討してください。
選択肢1:リニューアル(装置の入れ替え)
現在の稼働率が高く、今後も多くの住民が機械式駐車場を必要としている場合は、新しい装置への入れ替え(リニューアル)が王道の選択肢です。
最新の機種に入れ替えれば、近年増えているSUVやハイルーフ車に対応できるサイズに拡張できることも多く、利便性が向上します。
ただし、1車室あたり150万〜250万円という数千万円規模の高額な費用がかかる点や、20〜25年後には再び同じような更新費用が発生する点に注意が必要です。
選択肢2:解体・平面化
もし現在、駐車場の空き区画が目立っているのであれば、この機会に「解体・平面化」を検討する絶好のタイミングです。
機械式駐車場をすべて撤去し、平面駐車場に転換すれば、今後数十年にわたって保守点検費や部品交換費、そして数千万円の入れ替え費用を払い続ける必要がなくなります。
(※平面化の具体的な方法は、地下ピット式の平面化「4つの工法」比較表と選び方の基本をご参照ください。)
「部品がないなら、いっそ機械をなくしてしまう」という抜本的な解決策です。
選択肢3:独立系メンテナンス会社による「延命」
「入れ替えも平面化も、すぐには費用が捻出できない」という場合は、メーカー系ではなく「独立系」のメンテナンス会社に相談し、延命を図る方法があります。
独立系業者は、純正部品がなくても同等の機能を持つ汎用部品を使用したり、基板を直接修理したりすることで、機械の寿命を延ばす技術を持っています。
これにより、数年間の時間を稼ぎ、その間に修繕積立金を貯めたり、じっくりと次の方針を検討したりすることが可能になります。
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メーカーから部品供給終了の通知が届いたら、それは「今後の駐車場のあり方」を見直すサインです。
多額の費用をかけて装置を入れ替える前に、平面化した場合のコストと比較することをおすすめします。
「機械式駐車場の相談窓口」では、鋼製平面化・埋め戻し・EPS・固定化の4つの工法を比較表で整理したガイドブックを無料で配布しています。
「現状維持」「入れ替え」「平面化」のどれが自マンションに合っているかを判断するための資料としてご活用ください。
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