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総会決議と区分所有法|大規模修繕の決議要件


大規模修繕は、総会の決議を経て初めて進められます。ここで迷いやすいのが「どの決議が必要か」という点です。結論から言うと、必要な決議の種類は工事の中身によって変わります。「大規模修繕は普通決議でよい」と一律に決めつけず、工事ごとに確かめる姿勢が大切です。

総会決議とは、組合の意思を区分所有者の集まりで正式に決める手続きです。大規模修繕では、工事の実施、予算、業者選定などをこの場で承認します。決議の要件を取り違えると、後で工事の正当性が問われることもあるため、事前の確認が欠かせない確認事項です。

決議の種類は工事内容で変わる

区分所有法では、共用部分に関わる決議の重さが、工事の性質によって分かれる考え方がとられています。現状を保つための維持・補修と、共用部分の形状や効用を大きく変える工事とでは、求められる賛成の度合いが違ってきます。

おおまかな分かれ目は次の通りです。

  • 共用部分の維持・補修にあたる工事は、普通決議で進めるのが一般的とされる
  • 共用部分の形状や効用を著しく変える工事は、特別決議になりうる
  • どちらにあたるか判断が難しい工事もある

普通決議は、区分所有者と議決権の各過半数の賛成を要件とするのが一般的です。特別決議は、各4分の3以上の賛成が必要とされます。ただし、規約で定めがある場合もあるため、自分のマンションの規約も合わせて確認することが大切です。条文の細かい番号は工事の中身や規約によって関わり方が変わるため、ここでは断定しません。

維持・補修にあたる工事

大規模修繕の多くは、建物を元の状態に近づける維持・補修にあたります。外壁の塗り替え、屋上やバルコニーの防水のやり直し、傷んだ部分の補修などは、現状を回復する性格が強い工事です。こうした工事は、普通決議で進められるのが一般的とされています。

維持・補修と整理されやすい工事の例は次の通りです。

  • 外壁の塗装や補修
  • 屋上・ベランダの防水のやり直し
  • シーリングの打ち替え
  • 鉄部の塗装やさび止め
  • 給排水管の更新(やり方によっては検討が要る場合もある)

ただし、同じ部位の工事でも、やり方によっては単なる回復を超えることがあります。元と違う仕様に大きく変える、見た目や使い勝手を大きく変えるといった場合は、次に述べる特別決議が要るかを検討する必要があります。

形状・効用を著しく変える工事

共用部分の形状や効用を大きく変える工事は、特別決議になりうる点に注意が要ります。形状の変更とは見た目や構造を大きく変えること、効用の変更とは使い方や機能を大きく変えることを指します。こうした工事は、住民の権利や生活への影響が大きいため、より高い賛成が求められます。

特別決議の検討が必要になりうる例は次の通りです。

  • 建物の外観や構造を大きく変える改修
  • 共用部分の使い方を大きく変える工事
  • バリアフリー化など、状況により判断が分かれる工事

同じ「大規模修繕」でも、維持・補修にとどまるか、形状・効用を大きく変えるかで決議要件が変わります。判断に迷う工事は、早い段階で専門家に相談して整理しておくと安心です。

実際の工事は、維持・補修と変更がまざることもあります。どの部分がどちらにあたるかを切り分け、必要な決議を取り違えないことが大切です。判断が難しいときは、設計の専門家や管理に詳しい第三者に確認する進め方が安全です。

決議要件の整理

工事の性質と決議の関係を、おおまかに整理すると次の通りです。あくまで一般的な目安であり、最終的には工事の中身と規約で確かめる必要があります。

工事の性質求められる決議の目安
共用部分の維持・補修(現状回復的)普通決議が一般的(各過半数)
形状・効用を著しく変える工事特別決議になりうる(各4分の3以上)
判断が難しい工事専門家に確認して整理

この表は出発点で、規約に別の定めがある場合はそちらが優先されます。総会の議案をつくる前に、自分のマンションの規約と工事の中身を突き合わせて、必要な決議を確かめておくことが欠かせない確認事項です。

総会をスムーズに通すための準備

決議要件を正しく押さえても、住民の理解が伴わなければ総会で議案は止まります。決議は手続きであると同時に、住民の合意を確かめる場です。事前の説明と資料づくりが、当日の可決を支えます。

総会前の準備の目安は次の通りです。

  1. 工事の性質を整理し、必要な決議の種類を確認する
  2. 規約に特別の定めがないかを確かめる
  3. 工事内容、費用、業者選定の経緯を資料にまとめる
  4. 説明会などで住民の疑問に事前に答える
  5. 議案と判断材料を総会前に配布する

必要な決議を取り違えたまま進めると、後で工事の正当性が問われかねません。要件の確認と住民への説明を早めにそろえておくことが、無用なつまずきを防ぎます。

まとめ

大規模修繕の総会決議は、工事の中身によって必要な種類が変わります。共用部分の維持・補修は普通決議で進めるのが一般的、形状や効用を著しく変える工事は特別決議になりうる、という分かれ目を押さえることが出発点です。「大規模修繕は普通決議でよい」と一律に決めつけず、自分のマンションの規約と工事内容を突き合わせて確かめることが大切です。判断が難しい工事は専門家に相談し、住民への説明と資料づくりを早めに整えることで、総会を無理なく通せます。要件の確認は、後の正当性を守るための欠かせない確認事項です。


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