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なぜ今「管理者管理方式」が増えているのか|役員のなり手不足と高齢化の背景


管理者管理方式が増えている一番の理由は、理事会だけで管理組合を回しきれなくなったからです。役員のなり手が見つからない、住民が高齢化している、賃貸に出す住戸が増える、そもそも管理に関心が薄い。こうした事情が重なり、外部の専門家や管理会社に管理者を委ねる動きが広がっています。

国の調査でも、この流れは数字に表れています。国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」(2024年公表)では、外部専門家を活用するマンションは約41.4%にのぼりました。背景を順番に見ていきます。

役員のなり手が見つからない

最初の背景は、理事や理事長の引き受け手が減っていることです。多くの組合では、輪番制で順番に役員を回しています。

ところが、仕事や介護で時間が取れない人が増え、順番が回ってきても辞退するケースが目立ちます。一度引き受けた人に負担が偏り、その人が疲れて続かないこともあります。

理事会は、修繕の検討、管理会社との折衝、総会の準備など、見えにくい作業を抱えています。これを無償の持ち回りで支える前提が、少しずつ崩れてきました。

なり手不足の主な要因を整理します。

  • 仕事や家庭の事情で時間を割けない区分所有者が多い
  • 専門的な判断を求められ、負担が重く感じられる
  • 引き受けても任期が短く、進め方が引き継がれにくい
  • 同じ人に役割が集中し、長続きしない

住民の高齢化と賃貸化

二つ目の背景は、住む人の構成が変わってきたことです。分譲から年数がたつほど、居住者の高齢化が進みます。

高齢になると、体力面から役員を続けるのが難しくなります。総会への出席や、夜間の理事会への参加も負担になりがちです。判断はできても、実務を担いきれない人が増えていきます。

同時に、住戸を賃貸に出す所有者も増えています。賃貸化が進むと、実際に住んでいない所有者が増え、管理組合の運営に関わる人が薄くなります。

高齢化と賃貸化は、別々の問題に見えて、どちらも「組合を担える人の不足」という同じ結果につながります。

管理への無関心が運営を細らせる

三つ目の背景は、管理そのものへの関心の低さです。総会の出席率が上がらず、議案が形だけ通っていく組合は少なくありません。

関心が薄いと、役員のなり手はさらに減ります。誰も引き受けないため一部の人に集中し、その負担を見た周囲がますます敬遠する、という流れが生まれます。

無関心は、悪意というより「忙しくて手が回らない」「専門的でよくわからない」といった事情から起こります。だからこそ、個々人の努力だけで解消するのは難しい問題です。

制度の側も動いてきた

こうした担い手不足を受けて、制度の側も外部に管理者を委ねる方式へ対応を進めてきました。

管理会社が管理者の業務を受託する動きは、件数の面でも広がっています。管理会社が管理者業務を受託または検討する会社は、2023年時点で167社にのぼり、2020年と比べて約3割増えました。そのうち約7割は、理事会を置かない方式をとっています。

国の取り組みも続いてきました。国土交通省は、2017年につくった外部専門家の活用に関するガイドラインを、2024年6月に外部管理者方式などを対象とする内容へ改訂し、管理会社が管理者になる方式を新たに加えました。

法律の面でも見直しが進みました。区分所有法は2025年に約20年ぶりに改正され、総会の決議の進め方の見直しなどが盛り込まれています。担い手の確保が難しい現実に、制度が追いついてきた形です。

国の調査や制度改正の動きを整理します。

項目内容
外部専門家の活用令和5年度調査で約41.4%(2024年公表)
受託会社の動き2023年に167社、2020年比で約3割増
そのうちの方式約7割が理事会を置かない方式
ガイドライン2024年6月に外部管理者方式へ対象を拡大
法改正区分所有法を2025年に改正

外部に委ねれば、なり手不足はやわらぎます。一方で、管理会社が管理者を兼ねる場合は利益相反の心配が生じます。誰がチェックするかという監督の仕組みは、別途確認が必要です。

まとめ

管理者管理方式が増えているのは、役員のなり手不足、住民の高齢化、賃貸化、管理への無関心という背景が重なり、理事会だけで組合を支えきれなくなったからです。国の調査では外部専門家の活用が約41.4%に達し、管理会社が管理者業務を受託する会社も2023年に167社へ増えました。国もガイドラインの改訂や区分所有法の改正で、この流れに対応してきました。自分の組合に合うかどうかは、負担の軽さだけでなく、監督の仕組みまで含めて見比べることが判断材料になります。


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