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管理会社型と専門家型はどちらが安心か|中立性・費用・対応力の比較


管理者管理方式で外部の管理者を置くとき、候補は大きく管理会社型と専門家型に分かれます。どちらが安心かは一律には決まりません。中立性、費用、日常の対応力、利益相反のリスク、なり手の確保という観点で、それぞれの向き不向きが変わるためです。先に結論を示すと、組合の事情に合うほうを選び、どちらでも監督の仕組みを併せて整える、という考え方になります。

管理会社型は、管理組合の管理者を管理会社が引き受ける方式です。専門家型は、マンション管理士や弁護士など外部の専門家が管理者になる方式を指します。日々の管理を委託している会社が管理者も兼ねるか、管理とは別の専門家に任せるかという違いです。

観点ごとの比較

両者の特徴を観点別に並べると、次のように整理できます。あくまで一般的な傾向であり、個々の会社や専門家、契約内容によって変わります。

観点管理会社型専門家型
中立性委託先と管理者が同じため利害が重なりやすい工事や委託の利害から距離を取りやすい
費用既存の委託費に含まれる場合がある管理者としての報酬が別途かかりやすい
日常の対応力体制が整い対応が早い傾向個人の場合は対応の幅が限られることがある
利益相反リスク工事発注などで相反が生じやすい相反は起きにくいが監督は依然必要
なり手受託する会社が増えている引き受ける専門家の数は限られる

表のとおり、片方が一方的に優れているわけではありません。重視する観点によって、向いている型が変わります。

管理会社型の特徴

管理会社型は、すでに委託している会社にそのまま管理者を任せられる手軽さが利点です。建物の事情を把握している会社が引き受けるため、日常の対応は速くなりやすい傾向があります。なり手の面でも、国土交通省の調査では管理会社が管理者業務を受託または検討する動きが近年広がっています。

一方で、管理を委託している会社が管理者も兼ねると、利害が重なりやすくなります。たとえば大規模修繕工事の発注先が管理者である会社自身になる場面では、発注が適切かを組合側が判断しにくくなります。費用面で手間が少ない代わりに、相反のチェックをどう確保するかが論点になります。

専門家型の特徴

専門家型は、工事や委託の利害から距離を取りやすい点が利点です。マンション管理士や弁護士などが管理者になるため、特定の会社の都合に左右されにくいと考えられます。中立性を重く見る組合に向く選択肢です。

ただし、管理者としての報酬が別途かかりやすく、費用は増える方向になります。個人が引き受ける場合は、緊急時の対応の幅が組織より限られることもあります。引き受ける専門家の数自体が多くないため、適任者を探すこと自体に時間がかかる場合もあります。

専門家型なら相反が起きないと考えるのは早計です。専門家であっても、紹介先や提携先との関係など別の利害が生じる余地は残ります。型にかかわらず監督は必要です。

どちらでも監督の仕組みが前提

国土交通省は2017年の「外部専門家の活用ガイドライン」を、2024年6月に外部管理者方式等に関するガイドラインへ改訂し、管理会社が管理者になる方式も新たに対象に加えました。ここで押さえておきたいのは、このガイドラインが管理会社型と専門家型のいずれの外部管理者についても、監督と利益相反対策を求めている点です。つまり、どちらの型を選んでも監督の仕組みを置くことが前提になります。

ガイドラインで示される対策には、次のようなものがあります。型を問わず確認に値する事項です。

  • 通帳と銀行印を分けて保管する、または外部に保管する
  • 監事や外部監査による定期的なチェックを置く
  • 自己監査を避け、管理者自身が監査する形にしない
  • 一定額以上の契約は総会や監事の承認を要する仕組みにする
  • 規約に管理者の固有名詞を書かず、解任しやすくしておく

これらは管理会社型でも専門家型でも有効です。どちらが安心かという問いは、型の選択だけでは完結しません。選んだ型に合わせて監督の仕組みをどう設計するかまで含めて考えることになります。

比較のときに確認したいこと

型を比べる前に、組合として次の点を確認しておくと判断しやすくなります。

  1. 中立性と費用のどちらをより重く見るか
  2. 日常の対応の速さがどの程度必要か
  3. 工事発注など相反が起きやすい場面が今後あるか
  4. 監事や外部監査による監督を置けるか
  5. 候補となる会社や専門家が実際に確保できるか

これらを整理すると、自分たちの組合にとってどちらの型が現実的かが見えてきます。なお、管理者の選任や解任は集会、つまり総会の決議によります(区分所有法第25条)。型を決めた後の手続きも見据えて検討することになります。

まとめ

管理会社型と専門家型は、中立性・費用・日常の対応力・利益相反リスク・なり手のどれを重く見るかで向き不向きが変わります。管理会社型は手軽さと対応の速さ、専門家型は中立性が利点になりやすい一方、それぞれに論点もあります。国土交通省のガイドラインは両方の型に監督と利益相反対策を求めており、どちらを選んでも監督の仕組みを併せて整えることが前提です。型の比較と監督の設計を一体で考えることが、安心につながる判断材料になります。


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