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マンション管理士事務所の開業は自宅で良いのか?

開業支援
永井和也

マンション管理士資格取得後、大手マンション管理会社に就職。マンション管理組合の担当者としての経験を経て、2013年八重洲マンション管理士事務所設立。現在は合同会社マンション管理の教科書・代表として「マンション管理士事務所開業支援」や「管理組合向けのサービスの紹介」をおこなう。

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マンション管理士事務所を開業するときは、自宅で開業するのか?それとも事務所を借りるのかという問題が出てきます。結論からい言えば、専業のマンション管理士になるのであれば自宅での開業は避けて「コワーキングスペース」や「シェアオフィス」の利用をおすすめします。

自宅で管理士事務所を開業するメリット

マンション管理士事務所開業時に「はじめは自宅を事務所に開業しよう!」と考える方が多いでしょう。私自身もそうでした。結果的に小さな不動産会社に間借りすることになったので自宅で開業することはなかったのですが。

開業当初は仕事がない!家賃節約は最大のメリット

マンション管理士は定年退職後に事務所を開業する方が多く事務所の「家賃」や「電気代」などの固定費をかけずに自宅の一室で、のんびりやっていこうと思う方も多いようです。

また、マンション管理会社を退職して、マンション管理士事務所を開業しようという若手でも、開業資金が乏しい場合などには、最初は自宅を事務所として開業して、収入の見込みがたってから事務所を借りたいと考える方もいるでしょう。

自宅を事務所として開業する一番のメリットは、何といっても、事務所の家賃がかからないことです。

事務所を借りようと思えば、地域にもよりますが、賃料として1ヶ月に5万円~十数万円の他に水道光熱費などの固定費もかかります。

率直に言って、マンション管理士事務所開業当初は「家賃」を賄っていくことは非常に難しいので家賃が掛からないことは大きなメリットです。

「理事会」や「総会」に直行直帰できる

マンション管理士事務所を開業当初は仕事が少なくても、事務所の業務が軌道に乗ってきた場合には短期間に集中して仕事が入ってくることもあります。

マンション管理組合の決算時期はある程度決まっていることが多く、ある特定の時期に管理組合からの依頼が集中しがちですので、こうした繁忙期には通勤時間の節約は自宅開業のメリットでしょう。

また、マンション管理士の仕事は、土日に集中するほか平日の理事会への参加が夜間になることが多く、自宅兼事務所であれば、顧問先のマンションへ直行直帰することができます。

「顧客」が事務所に来訪するケースは稀

私の場合には、当初事務所の場所が東京駅から5分程度の場所にあったにもかかわらず、事務所に顧客である管理組合の方が来訪するケースはほとんどありませんでした。

自宅で管理士事務所を開業するデメリット

次に、マンション管理士事務所を自宅で開業することのデメリットについて考えていきます。

自宅兼事務所では信頼性に欠ける

最も大きなデメリットは、顧客であるマンション管理組合からの信頼性に欠けるということです。自宅を事務所とする場合には、顧客であるマンション管理組合からみて「実績のある信頼できるコンサルタント」ということをアピールするのが難しいでしょう。

管理組合はマンション管理士に信頼感を求める

マンション管理士の顧客である管理組合は多様な価値観を持った住人の集まりです。管理組合はコンサルを依頼するマンション管理士には、何より信頼を求めるので信頼性をアピールし難い自宅兼事務所でのハンデは大きなものです。

プライベートとの区別が難しい

次のデメリットとして「仕事」と「プライベート」との区別がつかなくなることです。これはマンション管理士に限ったことではありませんが、オンオフのメリハリをつけるのは難しいものです。昨今のコロナ禍の状況でのテレワークでの働き方の問題と共通する課題です。

自宅で開業として仕事が受託できない状況で、営業に力をいれることもなく廃業してしまうマンション管理士も数多くいます。

まとめ

実際のところマンション管理士事務所開業当初に家賃を支払えるほど収入を得るのは簡単なことではありません。一方で、自宅兼事務所の場合には管理組合から信頼を得るのは困難であることも事実です。

そこで、現実的な選択として「コワーキングスペース」や「シェアオフィス」の利用をお勧めします。コワーキングスペースであれば1.5~3万円/月ぐらいで利用できます。

私自身もコワーキングスペースを借りていたことが非常に快適な使い心地でした。特に顧客が来訪することの少ないマンション管理士事務所ではこうしたシェアスペースを活用するのは良い選択ではないでしょうか。

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