マンション管理のヒントがいっぱい

マンションや共同住宅での暮らしというと「ご近所付き合いが煩わしい」と感じる方が多いようです。しかし昨今では、住人の高齢化や震災などの影響で、コミュニティの大切さが見直されています。共同生活の中で挨拶が気持ちよく交わされる関係。そして、いざというときに頼れる専門家がいる。そんな新しい暮らしのかたちが求められています。

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【総合】マンション「管理組合」と「理事会」

一般的な分譲マンションでは、その管理のために、管理規約において、理事会を置くことを規定しています。
理事によって理事会は構成され、分譲マンションにおいて理事会は管理組合の業務を執行する組織のことです。
また、必要に応じて専門委員会や部会を設けることもこともあります。

 

「管理組合」は区分所有者全員が加入する団体

マンション管理組合の役割
分譲マンションの部屋の購入者を区分所有者と呼びますが、この区分所有者全員が「建物」「敷地」および「付属施設」の管理を行うための団体が管理組合です。マンションの専有部分の管理は、当然、区分所有者が自分でおこなうことになりますが「共用部」や「敷地」等については、区分所有者全員の共有財産であるため区分所有者全員が管理組合をつくって管理をおこなっていきます。

理事になったらここからはじめる
役員(理事・監事)は、総会で選任され、その理事の中から「理事長」「副理事長」「会計担当理事」などの役職が互選で決められます。理事会は複数の理事で組織され、管理組合を運営するための具体的な業務や、総会に諮る議案等の作成をおこないます。

「理事会」は管理組合の業務を執行する組織

理事会の「役職」

役職1│理事長

『理事長』は、「管理者」として管理組合を代表し業務を統括します。区分所有法や管理規約に基づく権限と同時に多くの義務を負います。理事長は、管理組合の大切な印鑑の保管をおこなったりしますので、とても責任の重い役割を担っています。

役職2│副理事長

『副理事長』は、理事長の業務を補佐し、理事長が役割を遂行できなくなったときにはその業務を代行します。副理事長は理事の役職の中でも楽だと思われがちですが、仕事の多い理事長にかわって、副理事長が地域の自治会との窓口を担当して、様々な地域行事や会合に出席することにしている管理組合も多くあります。

役職3│会計担当理事

『会計担当理事』は、管理組合の会計業務を専門に担う役割があります。本来重要な役割がある会計担当理事ですが、実際には管理会社が業務代行することが多いのが実際のところです。

役職4│監事

『監事』は理事ではありませんが理事会に出席することもあります。管理組合では、理事の他に監事が選任され、理事と監事を合わせて「役員」と呼んでいます。監事は、管理組合の業務執行と会計の状況を監査機関です。こうした役割があるため、理事を兼務することはできません。

それ以外の役職

マンションによっては、この他にも理事の役職に「町会担当理事」「修繕担当理事」「防災担当理事」等が設けられているケースもあります。

理事のなり手がいない場合
これまでマンションの理事は、マンションに居住している区分所有者から選ぶのが一般的でしたが、居住者の高齢化や賃貸化などによる理事のなり手不足を背景として、マンション管理士等の専門家が役員として就任する「第三者管理方式」などを採用するケースが増えてきました。第三者管理方式では、これまでの区分所有者による理事会運営方式とは異なり、外部の専門家であるマンション管理士等の第三者に有償で管理者(理事長)を委託します。理事のなり手不足などを背景に、その対策の切り札として期待されている方式です。

理事会の「運営」

理事会は、区分所有法で定められた機関ではありませんが、標準管理規約に定められており、大多数のマンションでは理事会を設置しています。管理組合運営に関する重要な事項は、総会の決議で決められますが突発的なトラブルが起こることもあります。その都度、マンションの区分所有者全員が集まり議論するのは、現実的ではありません。そこで、規約によって理事会をつくり、日常的な管理業務全般についての確認や検討を行うのが理事会の役割です。理事会では、理事がマンションの日常的な問題点や解決方法について話し合いをおこないます。

役員(理事・監事)の選任方法

マンションの理事の選任方法は主に「立候補制」と「輪番制」の2つです。理事が固定化すると馴れ合いや癒着といった不正行為や、万年理事長の自己流の管理組合運営が悪影響となる場合があります。こうしたことから、現在では輪番制での理事会運営が区分所有者の公平性の面からも推奨されています。

役員(理事・監事)の「任期」

役員(理事)の任期は、1~2年で設定し継続性を重視するために、半数改選とするのもよいでしょう。この場合には、役員の任期は2年となります。
あまり長すぎてもワンマンな理事長などの存在により、理事会の私物化といった危険性ががありますので、適切な期間に設定することが大切です。

役員(理事・監事)の報酬

理事会運営は、これまでボランティア精神を原則とされてきたことから無報酬が基本でしたが、理事のなり手不足の解消の一策として、役員(理事)への報酬の支払いが一般的になってきました。管理規約を変更することで役員の報酬制度を設けることができます。

役員(理事・監事)の人数

理事の人数は、おおむね10~15戸につき1名程度が一般的です。なお、理事や監事の人数に、○~○名という枠を設けることも可能です。あまり人数が多すぎても合意形成が困難になりますので、適切な人数を設けます。

理事会の「仕事」

 

理事会の主な業務

  • 管理会社との折衝や打ち合わせ
  • 定期総会の議案決定
  • 管理規約や使用細則の変更検討
  • ルール違反者などへの対応

理事会は、総会での決定事項のほか、共同生活の中で発生する様々な問題や課題の解決策の検討や、居住者に対してのマナーやルールの周知などをおこないます。
居住者の中には、管理規約や使用細則があっても守らない人もいます。ルール違反者に対しては、共同生活の秩序を維持ために理事会で速やかに対応することが非常に大切です。
その他、自主管理マンションでは、管理費や修繕積立金の滞納者に対して「電話」「訪問」といった督促業務を理事会主体でおこないますので、理事会の負担が大きく増してきます。

理事会の「開催方法」

理事会を開催する場合には、理事長が招集するのが原則ですが、実務上は管理会社の担当者(フロントマン)から理事会の招集の連絡がくることが多いでしょう。しかし、緊急に理事会を開催する場合などに備えて理事会の開催方法について学んでおきましょう。

理事会の「議事録の作成方法」

理事会の終了後には議事録の作成が必要になります。議事録は、一般的には管理会社の担当者が素案を作成しますが、管理会社任せにはせず、その素案の修正・追記をおこなうことは議長(理事長)の大切な仕事です。議事録は理事会の記録として残すものですので何よりも記載事項の正確性が求められます。

理事会の「広報の必要性」

理事会からの情報発信は、マンションのコミュニティを育成するためのきっかけや、生活上のルールの周知などに有効な方法です。理事会議事録の掲示や広報誌の配布などをおこない、理事会の活動を居住者に向けて発信することは、居住者の管理に対する意識の向上や、管理組合の活性化につながります。

理事会の「開催頻度(回数)」

マンションでの理事会は多くすぎても理事の負担が重くなって理事のなり手がいないといった心配があります。一方で、あまりにも理事会の開催頻度が低いと管理会社任せの無責任な管理組合運営になってしまします。理事会の適切な開催頻度は、毎月もしくは2ヶ月に1回程度です。

役員交代時の「引継ぎの必要性」

理事会では、日常的なトラブルや長期的な議論が必要な問題などに対応しなければならないため、任期中に完了できない問題も出てきます。
このような問題を継続して検討するためには理事会の引継ぎを確実に行うことが重要です。引継を確実に行うために、「引継書」を作成しておくことが大切です。

理事会を「効率的におこなう工夫」

理事会はあまりに長いと理事の負担が重くなりますので、理事会では効率的な進行を心がけます。理事会だけではなく、会社の会議でも、効率よく短時間でおこなうこと重要なことです。特にマンションの理事は、主にボランティアでおこなわれ、休日の午前中や、仕事から帰宅後に開催されるケースも多く短時間でおこなうことが望ましいでしょう。

理事会が活発に活動することが、マンション管理組合の運営を支える原動力になります。管理の重要性をマンションの区分所有者全員が理解するためにも、できれば全員が役員を経験することが重要です。
分譲マンション管理組合の理事会では、定期的な理事会の開催や、消防訓練や懇親会などの各種イベントの主催などをおこないます。
こうした活動は、できる限り広報をおこない適切な情報公開をおこなうことが必要です。また、理事会の活動は平日の夜間や土日などにおこなわれることが多いため、理事会の活動は役員にとって負担になることは間違いありません。
日常業務を管理会社に委託している場合には、理事会のスケジュール調整やイベントの資料作りなど管理会社が準備を手助けしてくれるため、ある程度、理事会の負担は軽減されます。
理事会運営がそのマンションの管理の良し悪しをもっとも左右します。分譲マンションの資産を守るもっとも重要な役割を担うのが理事会といえるでしょう。